ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

"UNLIKELY PILGRIMAGE HAROLD FRY"

面白そうな映画を見つけた。 
『ハロルド・フライの思いもよらない旅立ち』
6月7日全国公開!

movies.shochiku.co.jp

面白そう!だけれど、6月7日まで待てないので原作本は
ないのかしら?と探してみたら、あった!
すでに翻訳済み。
『ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅』

もちろん原書も。
"UNLIKELY PILGRIMAGE HAROLD FRY"

サンプルを読んでみたところ、引き込まれたのでそのまま
kindleで購入し、読んだ。

あらすじは、昔の同僚から手紙を受け取ったハロルド、65歳。
彼は定年退職して半年ほどで、家からほぼでない生活をしている。
その手紙には何十年も会っていなかった同僚がいまホスピス
いることが書かれていた。
彼女に返事を書き、その手紙をポストに入れる…つもりが
1000キロもの旅にでる。スマホも持たず!
ホスピスには「僕が歩いて行く間、彼女も生きるように伝えて」と
電話で伝える。
歩きながら人生や家族について自問自答する。

これは、イギリス版の『走れメロス』と同じだと思いながら読んだ。
靴が破れようと、足が絆創膏だらけになろうとも、
”僕が歩き続ける限りは、彼女は生きる”と信じながら歩く姿勢には
尊さを感じずにはいられなくなる。
その一方で、”巡礼”風な出来事も各種、起きてきて
ユダがいる…と思ったり。
キリスト教の巡礼がどのようなものかを私は知らないけれど、
日本人としてはお遍路さんをしているように読める。
ハロルドがうまく関係を築けなかったと何度も悔いる息子もでてくる。

出会いと別れを繰り返し、家族がいて…壮大な物語で、
これをどうやって映画にまとめたのだろうか、と改めて映画も観たくなった。
ただ、本では続編がすでにあるものの、続編を読みたいかと聞かれると
もう十分かも…と思ったり。

洋書を読んでいて面白い表現に出会うと調べてノートにメモする。
英語の意味を日本語でどういう意味なのか調べて、
その日本語の意味を調べる、ということを久しぶりにした。

Good heavens!
若い女性のところへ泊ったハロルドに友人が言った)
「やったね!」みたいな訳で十分だと思いつつ、調べてみた。
Good heavens; 南無三宝

・・・南無三宝???南無三宝ってなに?
仏と法と僧の三宝に呼び掛けて仏の救いを求めること、
転じて驚いたときや失敗したときに発する言葉。

知らなかった…。いや、「南無三」って聞いたことはあるから
知っているといえば知っているのだけれど、
今度から「あちゃー」の代わりに「南無三宝」と言おうと思う。
すごい敬虔な仏教徒みたい。

55冊目で500万語を読み終えた。
知らなかった熟語はまだまだたくさんあるけれど、
最初は2週間かけて1冊読んでいた洋書がいまは3,4日で1冊。
日本語の本ならば半日で2冊くらい読み終えるので、
まだまだ日本語に比べると読む時間はかかるけれど。
500万語の成果…本の中に出てきた表現を海外のパルたちに使って
「超フォーマル!!」と言われたり、
「いつの時代の人?今時言わない」と言われたり。

最近読んでいる本が60代より上の主人公や登場人物たちなので
言い方が古くて丁寧らしい。それも面白いけれど。
丁寧すぎて問題にはなることはないでしょ?と話すと、
「いや、本当に最近の若者たちときたら…」とどこの国からも
若者の無礼さや不躾さの不満がでてくるようになった。
そうか、みなさんもうそんな年齢か…と私は若者サイドのつもりで
話を聞きたいところだけれど、私も平均寿命の折り返し地点を過ぎたので
「いや、本当に今時の若者は…」と参加している。