ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

ラベリング

インディアナ州の仲良しパルは青森の三沢基地
子供時代を過ごしている。
彼女の記憶にあるのは塾に通う小学生たち…。
日本の小学生って、そんなに勉強するのね!と衝撃的だったらしい。
我が家の花子はまだ塾には行っていない。
(化学の塾は”習い事”感覚なので)
そう話すと、
アメリカ人の私でもわかるわよ、
あなたが例外的な親だっていうことは。」と言われた。

中2の花子のクラスでも塾に行っていないのは花子と数人…。
多分1割の生徒くらい。
そのほかの生徒は基本的に集団塾で学んでいる…と思っていたら
中3のママさんから、
「今は集団塾と個別指導と2つ、週5で通う子も多いわよ!」と
言われる。
我が家はふつうの塾にすらいっていないというのに、
と感心していると
「花子ちゃんは女の子だから」と言われた。
意味がわからなくて、つい「どういう意味?」と聞き返すと、
「うちも娘だから塾1つだけ。女の子はがむしゃらに
勉強する必要はないよね。」と当然のように言われ、
へぇ…と相槌を打った。

いや、わからん。
日本語なのに全くわからん。
女の子はがむしゃらに勉強しない?
髪振り乱して勉強する女子、いいじゃん!
えっ?いまいつの時代?とわからなくなって、
サウスカロライナのパルに話すと、
”What year is this?" (いま何年?)と聞きたくなるような
考えはアメリカでもいまでも存在するわよ。

I hope one day women will not be seen as second class.
(いつの日か女性が二級市民とみられない日がきてほしいわ)

・・・これ、アメリカの白人女性から。
アメリカの白人女性で二級市民と思うなら、ラテン系や
黒人女性たちは一体…と思わずにはいられない。

アメリカのパルに愚痴っただけで止まらない私は
もちろんロンドンのパルにも愚痴った。
ロンドンのパルから返ってきた言葉は、

"Stupid heads!
Are they still living in the Ashikaga-jidai?"
(バカみたい! 彼らはまだ足利時代に生きているの?)

*正確にいうならば、日本の女性の地位が低くみられるように
なったのは戦国時代以降、といわれているハズ。
ロンドンのパルは何百年前の価値観?というようなことを
言いたかったのだろうと思う。
(ちなみに室町時代は1336-1573)

男性を尊重する田舎社会の夫の義理の親戚たちからも
花子より太郎を、と何度言われたか…。
私が花子の前でカットしている言葉もあるけれど、
もしかしたら本人の耳にも届いているかもしれない。
”女性は”、”女子は”と一律に言うことは
性差別主義者と変わらない気もするので好きではないけれど、
それでも女性は幼い”女子”の間から、
能力を低く見る言葉をあちこちから
いろんな場面で浴び続ける、ということは事実で、
息子たちに比べて格段に多いことに娘を育てて
改めて気づかされた。
東洋の魔女もびっくりの完璧なブロックをして娘には
そういう言葉が耳に入らないようにしているつもりではあるけれど、
きっとすでに届いているのだろうなぁ。

心理学でラベリングというものがある。
俗にいう、レッテル貼り。
悲しいかな、意味なく貼られたレッテルの通りに人は動く。
よいレッテルを意味なく貼っても効果がでることを
ピグマリオン効果といい、教育心理学でよく聞く。
逆にネガティブな効果のほうがゴーレム効果というらしい。
花子に貼られる”女子だから数学苦手でしょ?”
”女の子だから上の学校は目指してないでしょ?”
(上の学校って、女学校時代か!と毎回、突っ込みたくなる。
バリバリ理系の大学を花子も目指してますけど!)

様々なレッテルを貼られるたびに、
ベリベリと剥がし、上から花子にだけ聞こえるように
レッテルを貼る。