ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

本のジャンル

アイルランドの本屋さんに紹介してもらった本、
Amazonで注文したらイギリスからの発送などもあり、
届くのは1か月後。
いや、待てない!ということで、kindleで久しぶりに洋書。
ドラマ化されていて、タイトルだけは知っている。

"Outlander"

Outlander: A Novel (Outlander, Book 1)

すごく面白くて、3日ほど、ほぼスマホにくぎ付けで読んでいる。
スコットランドの方言に地名にとわからない単語が続出する。
1つのページにわからない単語は5つくらいがちょうどよいレベル、
自分に合った本だという話をよく目にするけれど、
1つのページに辞書で調べた単語だけで10はある…。
1行に3つ、知らない単語なんてこともあったけれど
それでも読めてしまう面白さ!

「すごく引きこまれて読んでいるわ!」とロンドンのパルに話すと、
どんな話なの?と聞かれた。
えーっと、歴史ものと恋愛ものとタイムトラベルを混ぜ合わせた感じ…
タイトルは、”Outlander"と話した。

”Those kinds of books are known as 'bodice rippers' here."
(そういう本って、こっちではbodice ripperって呼ばれているわよ。)

bodice ripperって、なに?と調べてみたら、
・女性読者を対象にした性と暴力を題材にしたロマン小説。
・ヒロインが性的に暴行されるシーンを含む恋愛小説。

…そうなの?イギリスだけ?
アウトランダー』の作者はアメリカ人だけれど、
アメリカではどう評価されているの?とアメリカのパルに聞くと、
彼女自身は『アウトランダー』を知らなかったけれど、調べたらしい。
そして彼女が送ってくれたページには書かれていた。

"Regardless of whether you think Outlander is a romance,
it certinly has bodice ripper elements."
(あなたがアウトランダーを恋愛小説と思うかどうかにかかわらず、
アウトランダーは確かにbodice ripperの要素をもっている。)

すごくショックだった。
日本人でアウトランダーを原書で読んだ人たちがたくさんブログに
書いていたけれど、誰もbodice ripperなんて言葉について
触れてなかったけれど!
日本語の本では暴力の描写は些細なものでもほぼ拒否するのに
英語で読んでいて読み飛ばしたってことか…。
いや、やたらと戦っているなとは思っていたけれど、
中世だから剣がでてくる、剣がでれば血もでるわな、とか
今の時代の服は中世には不適切で破廉恥ってことか…
くらいの感覚で読んでいた。
もしくは、私が読んでいるのはまだ1割程度なので、
過激な暴力シーンも過激な性描写もなかった…のか?
尾崎紅葉の『金色夜叉』にでてくる足蹴りに
「DV!これ、DV小説や!」と言っていたほど
暴力シーンに拒否反応がでるのに、英語では読み飛ばした…?
と、一人、かなりショックを受けた。
いや、正直、ショックがまだ続いていて、
読みながら(続きが気になって、まだ読んでいる!)ため息が出る。

「そんなに気になるなら一度、日本語で読んでみたら?」と
アメリカのパルに言われ、
日本人の友人には「暴力も性描写もガタガタ言う年ではないでしょ?」と
呆れられた。

本棚を見れば、その人の人となりがわかると思っている私には
bodice ripperといわれるジャンルを楽しんでいたという事実に
結構、ダメージが大きい。
「へぇ~、そういう本が好きなのね!」と思われることは
流行本や自己啓発本を読んでいるのと同じくらいに、
いやそれ以上に恥ずかしい気がする。
そういう本が売れるってことは、「暴力で服従されたがっている」
なんていう誤ったイメージを送る一助にもなりそうなのもいやだ。
ファンタジーなのよ!ファンタジー!それでも、
すでにファンタジーの世界に入り込めなくなっている。

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