ロンドンのパルは3ケ月ほど日本に滞在していたけれど
全くホームシックにならなかったらしい。
帰国して一番にしたいことや食べたいものは?と聞いたときに
彼女が言ったのが「マーマイト!」。
マーマイト???
それはなに?とスペル(MARMITE)を聞き、
調べてみると出てきたのはイギリスの発酵食品。
好き嫌いが分かれる一品らしい。
日本の近くのスーパーではもちろん売っておらず、
ネットでも小さい瓶などは手に入らず、
それだけを買いに輸入食品店に行くには遅すぎた。
できれば、日本で彼女に食べさせてあげようと思ったけれど厳しく
「ごめん、手に入りそうにない…」とメッセージを送った数日後、
我が家に彼女からのお土産としてやってきた。
アメリカ人の婚約者は「ウ~ア」と顔をしかめるレベルで嫌い、
らしいのだけれども、ロンドンの彼女は大好きらしい。
我が家で一緒に朝食を食べよう!と私が焼いたトーストに
つけて食べることにした。
マーマイト、そのものは醤油を煮詰めたような色で、しょっぱさと
舌がしびれるような発酵食品独特な味がする。
トーストにうすーく、うすーくつけるのがコツとロンドンのパルは言いつつ、
ドバーっと塗った。
彼女のをお手本に塗ろうと思っている私たちは呆然。
「うすーく、うすーく」はどこいった?!
私は大好きだから!と彼女はたっぷり派らしい。
トーストにマーマイトで夫は十分においしかったらしいが、
”See I told you so!" (ほら、言ったじゃん!)と
マーマイト嫌いなアメリカ人婚約者が喜ぶレベルで
私の食べる手が止まってしまった。
そんな私におすすめされたのが、チーズとマーマイト。
ちょうど、とけるチーズがあったので
トーストの上にチーズを乗せ、とろけたところでマーマイト!
恐る恐る口に運ぶと、「おいしい!これはいける!」とびっくり。
なんていうんでしょう、癖になるしょっぱさ。
マーマイト、なんて形容すればいいか…と思っていたら、
”イギリスの納豆”と形容している人がいた。
ええ、まさに!イギリスの納豆!
好きか嫌いか激しく別れ、好きな人は好き、嫌いな人は嫌い、
発酵させているところも健康食品であるところもまさに一緒。
”イギリスの納豆”という呼び方にはロンドンのパルも
アメリカ人の婚約者も大いに納得していた。
そのとき、トースト、オムレツ、ミルクティーという朝食で
”British breakfast!"(イギリスの朝食だわ!)と
言ったロンドンのパル、紅茶嫌いですから。。。
朝からオムレツを作り、紅茶をいつもことあるごとに飲んでいたうちの夫、
「一番、イギリス人なのは僕では?」と言い出す始末で、
”Indeed!"(その通り)と
ロンドンのパルとアメリカ人婚約者に言われていた。