ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

おすすめに悩む

新しく文通相手になったのはアメリカの某大学教授。
大学名を隠したいのではなく、私が忘れただけ…。
専攻も…忘れた。
副専攻は英文学だったらしい。
ただ、彼女は日本文学も学生時代にかじったことがあるらしく、
いくつかの本は読んだことあるわよ!と
何通目かの手紙で読んだことのある本を列挙していた。
しかも、それがとても面白かった。

彼女が一番最初に挙げたのは"Tale of Genji",
まさかの源氏物語
その次が"Norwegian Wood"、はいはい『ノルウェーの森』ね。
これも外国人にとてもよく読まれている作品で、
ノルウェーの森』の大ファンなの!とよく聞く。
「へー…」と棒読み以上の感想は私からはでてこない。

ここまではよくある展開、一番最初に源氏物語って、
なかなか珍しいけれど、『ノルウェーの森』は定番。
しかし、その後に彼女が挙げた作家たち、阿部公房に銀色夏生
それに谷崎潤一郎
・・・錯綜しすぎじゃない?
どういうテイストがお好み?とわからなくなったところで、
彼女が最後に挙げたのは"The Pillow book"。
えぇ~?!
枕の本…枕草子のこと。
英訳されて、"The Pillow Book"になっているので、
どんな破廉恥な内容が描かれているんだという
期待に胸を躍らせる人がいる、なんていう話を
フィンランド人の清少納言の紹介の中で読んだばかりだけれど、
本当に"the Pillow books" なのね。
そして、あなたのおすすめの作家は?と聞かれた。

数週間前、カナダ人(ケベック在住)のパルに
小川洋子(作家)の本を紹介した。
フランス語にたくさん翻訳されている小川洋子の作品は
フランス人の感性に合うのだろうと思うし、私も彼女の作品は
外れなしで、どれも楽しめる。
カナダ人のパルは1冊、図書館でリクエストして読み、
ハマって現在、9冊、小川洋子の本を借りているらしい。
「こんな発見があるなんて!」と大喜びだった。
いままで知らなかった、けれど、とても面白いと思える作家を
知ることができたときの興奮がすごく伝わってきてうれしくなった。

大体、読書遍歴を聞くと、「あの本は?」というおすすめが
数冊は思い浮かぶものがあるけれど、
アメリカのパルの読書遍歴の振れ幅の大きさに現在、
なにをおすすめすればいいの?と思案中。