ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』

久しぶりの辻仁成、と言いたいところだけれど
正確には2冊目。
冷静と情熱のあいだ』を読んで以来の2冊目。

 

英検が終われば読もう!読みたい!本を字のごとく、積んでいた。
よく見えるところに積み、あと少しすれば読める!と思っていたけれど
意志薄弱なので、つい手を出す。
そして、そのまま読んでしまった。
『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』

あれ?辻仁成って、こんな作家だったの?
私はもっとかっこうつけた作家だと思っていた。
彼のエッセイはとても素直で正直で、思春期と反抗期の息子との日々だった。
読者層、かなり限定されそう…。
これは中学生の親が読んでもわからないだろうよ、
”高校生の親”が読めば、「本当にそれ!!」と激しく同意する。

親の挨拶を無視するとか、
甘えから不機嫌なんだろうな(外では頑張ってるってこと)とか
こういう時期もあるさ~と大人を装って、
たまに「いい加減にしろよ!!」と堪忍袋の緒が切れたり、
3歩進んで2歩下がる生活を繰り返しているのに5歩下がって、
もう進んですらない!!と思ったり、
するするっと10歩行ったり、
10代のこどもがいる親っていうのはそういうストレスが日常。
「期待している」と言っても「勝手に期待しないで!」と言われ、
「期待していない」と言っても、「なにそれ?!」とキレてくるので
「うっさいわ!!」となる…さて、どっちが言ったのやら。
ツンデレのツンツンツンとツンが日常なのに、
たまに懐かしい幼子時代がふと顔を出す。
そんな私もしている日常がエッセイになっているので
共感しかない。

しかも、周囲はいろいろ言ってくれる。小さな親切を。
「甘やかしすぎ」と言われたり
「厳しすぎ」と言われたり、
「構いすぎ」と言われたり、
「放っておきすぎ」と言われたり…
私、アドバイス求めてないんですけど!
ちょっと外野は黙っといて!こっちも必死だから!
と私まで反抗期になりそうになる。
夫には”遅れてきた反抗期”と呼ばれているけれど。

反抗期のこどもにお疲れのママさん、読むべし!
それ以外の人には、わからないだろうなぁ…。
そして私もこどもたちの反抗期が終われば、共感どこでしたっけ?と
思うようになるのだろう。
その時が待ち遠しくて仕方がない!