ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

勝ち組認定

中1の娘に先日、上からドヤ顔で言われた。
「お母さん、自分のこと勝ち組って思っているんでしょ?」と。
飲んでいたコーヒーを吹き出しそうになった。
えっ?その”お母さん”って、もしかして、私?
この私が勝ち組?
なぜ?
結婚してこどもがいるから?
根拠は?と、娘に聞くと、
「大学もそれなりで、受験に落ちたことがないから。」
確かに高校受験も大学受験も落ちずにきたけれど、
英検も珠算検定も簿記も落ちたことありますけれど…
受験に落ちなかったら勝ち組?
大学も東大ではないけれどね…と自嘲気味につい話してしまった。

家は狭いし、
太い大黒柱がいるわけでもなく、
不動産収入も株の利益もない。
それでも家族5人が仲良く暮らせる小さな家があって、
誰一人大病をすることなく、事故に遭うことなく
ギャーギャーとうるさいながらに楽しく暮らせて
たまに花を買う余裕もあって、読書をする時間もある。
あら、もしかして、私は勝ち組だったの?

私の中で勝ち組は旧帝大出身で、一部上場企業にお勤めや学者さんで、
しかも残業せずに18時には家族でそろって夕飯を食べることができる。
もちろん年収は1600万超え。
1000万超えただけでは税金に苦しむだけだ、と
1000万超えの友人が教えてくれたので、なんとなくの年収1600万。
そうか、そっちの山からはそんな景色が見れるのか、と思っただけで
実はあまりうらやましいという気持ちはない。
一部上場企業でも年収1000万超えでも残業だらけで、
家には寝に帰るだけ…
家族との会話もないような生活よりも、
太郎のけん玉の新しい技をみんなで見たり、
(ただし、みんなに見られると失敗する太郎のメンタルの弱さたるや…)
家族5人で100均トランプで本気のババ抜きしたりすることができる
安い娯楽の我が家が楽しいし充実している。

塾の先生も担任の先生も奥さんからバレンタインのチョコを
もらってないんだって、と花子が言うので、
「私は一番高いおいしそうなチョコをお父さんにあげたよ。」
私も一緒に食べるために。
と中学生の娘に話したら、
「誰得情報?気持ち悪い。」と言われた。
まぁ、なんていうか反抗期?
思春期の潔癖?
両親が仲良しというよりおいしいチョコを私が食べたいだけで何が悪いのよ!
と言い合ったりしていた中学生の娘から
「お母さんは人生が楽しそうだから、勝ち組だと思う。」
と言われ、結構、嬉しい。
反抗期の娘に人生楽しそうと”勝ち組”認定をもらうって、一番の誉め言葉かも。

ついでに誰得情報っていうのは、私が食べる予定であげた
おいしそうな高いチョコを夫が一人で食べたこと!きい~!!
私が食べる予定で買ったチョコなのに~!と喧嘩した。
娘よ、こういうのを誰得情報?っていうんだと思うぞ。

 

コロナウイルス

コロナウイルスがいろんなことを気づかせてくれた。
まずは、ピアノ。
こどもたちのピアノ発表会が2週間後にある。
30人以上がひとつの部屋に3時間。もちろん密室。
田舎から田舎へ移動するわけではなく、都会へでることになる。
別のピアノ教室で発表会があるママさんたちの話を聞くと
どんどん中止や延期のお知らせがきていたので、
我が家の発表会も今年は中止になるのを待っていたけれど、
先生は決行するようだった。
我が家はいろいろと考えて、「今年の発表会は出演を辞退します」と
先生に伝えた。
カルチャーセンターのピアノや町のピアノ教室よりも
門下生と師匠!というような関係のピアノ教室の中で、
「発表会を辞退」って言いにくい…ので、先生から中止か延期を
言ってほしいと待っていたけれど。
半年以上かけて練習し、週2でピアノレッスンも入れてもらい、
練習を重ねた子どもたちは残念そうにするのかと思いきや、
そうでもない。
「ふーん。」程度。
私の方が拍子抜けしてしまった。

ピアノの先生は音楽高校から音楽大学、コンクールと
音楽の道を突き進んできた先生で、尊敬しているけれど
価値観が違うなぁと思うこともあった。
今回のことで、よりそれが浮き彫りになって、ピアノについて
我が家で考えるきっかけにもなった。
「とにかくスポーツをしなさい!」という親がいるけれど、
「とにかくピアノ!」と3人のこどもにピアノをさせてきた。
それぞれがソナチネレベルに到達し、
先生との温度差を感じるようになった。

小学校も中学校も休校しているので、今日は朝から先生たちの電話があった。
特筆すべきは、花子の中学校の担任。
「〇〇中学校の山田です。」と電話があったので、
おはようございます、いつもお世話になっています、と挨拶をしたところ
「花子は?」と先生。
あぁ、いるので代わります、と代わったけれど…
いやいや、待てよ、待てよ。
先生、いくつやねん!!と突っ込みを入れそうになった。

気になる1つ目、呼び捨て。
学校や遊んでいるときなどの呼び捨てはまぁ、ヨシとしよう。
本当はいやだけれど。
でも、保護者の前でも呼び捨てする?
こはちょっと違った対応が必要な気がする。

小5の太郎の悪友たち、外で遊んでいるとき、登下校のとき、
「おい、太郎~!!」と呼び捨て。
でも、電話してきたときは、
「田中です。太郎くんをお願いします。」と言う。
小5でもできることが中学校の先生が難しいか?と不思議。

「花子は?」と先生に聞かれたとき、
彼女の家の電話にかけて親が電話に出て焦った高校生彼氏か!と
突っ込みそうになった。
まさにそんな感じだった。
携帯電話だけの世代って、こんな感じなのかしら。

元高校教諭のママ友が学校の先生への敬意が失われた理由を
「大卒のママさんが増えたこと。」と言っていた。
大卒が尊敬の対象ではなくなった、と。
そういうものかしら?と思っていたけれど…
こういう「はい?」な対応をする先生が多いからな気がする。
でも、そういう先生はやっぱり”若い”先生が多く、
彼らを指導してくれる年代の先生がいないことも
遠因としてあると思う。

 

 

混乱

アメリカのパルから来た手紙に書かれていた。
「今週末、トランプが私の町へやってくるの。
だから、今週は町を出るわ!」と。
大統領選が迫ってきているのを感じる。
そして、どうやら彼女はトランプ支持者ではないらしい。

サウスカロライナ州のパルからもメールが来た。
「日本がコロナウイルスを恐れて学校を閉鎖したって
ニュースで見たんだけれど、本当?
私もトランプが私の町にやってくるのを恐れているわ。
空港も道路も封鎖されるから、すごい混乱よ!」
ということで、彼女はdisruption(混乱)について書いていた。

学校の一斉休校、いろんな意見にあふれているけれど
私は賛成派。
欲を言えば、2週間前に「春休みまで休校する」という予告があれば
学校も先生も親も心づもりができただろうとは思うけれど。
「学校へこどもたちが行かないと仕事へ行けない!」なんていう
声を聴くと、お子さんは元気でいままできたのね、と
ちょっと思ってしまう。
年に2回入院したことがあるこどもを持つ私。
あの入院(こどもが入院すると、とにかく大変!家と病院と…)の
大変さを考えたら、こどもの健康を維持することが最も重要で、
そのためにはできたら集団は避けたい、学校も避けたい…。
休校はインフルエンザもコロナウイルスも避けれる。
これ以上の感染がこの休校で防げることを期待したい。

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

表紙から児童書だと思っていた本だけれど、
興味を持ったので読んでみた。
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』 

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
 

 結論から言うと、児童書ではなかった。
イギリス在住の著者が中学生になった息子の学校生活を通して
イギリス社会を描いたエッセイ。
イギリス在住とはいえ、日本人とアイルランド人の夫婦で、
息子はハーフ。
いや、ダブル。
ハーフ アンド ハーフ…といろんな言い方があるけれど、
まぁ、そんなところ。

海外在住の人たちのブログを読んだこともあるけれど、
これは中流より上だなあ、とか上流階級だなぁと思うような
立派な家に住んでいる。
家だけは中流や上流でも、人種差別などできっちり上流階級入りできるか、
というところはまた別の話なのだろうとは思うけれど。
著者はどうやら中流ではない。
住んでいるところも中流下流が混在しているところ。
小学校はカトリックの良い学校に通ったものの、
中学校は公立の”元底辺高校”に通い、多様性の波をかぶる。
次から次へと容赦のない学校における問題はそのまま社会の縮図で、
息子君の学校生活を通してイギリス社会を知った。

この本を読みながら、一番に思ったことは、
PCって、もはやパソコンの略ではないこと。
ポリティカル・コレクトネスの略で何度も出てきた。
東洋人を意味する”オリエンタル”も今は使用を躊躇する
差別用語のようになっているようで、
その言葉にどんな意味を持たせるかで、すべての言葉が差別用語
なってしまう気がする。

イギリスではかくも教育格差が広がっている、
というのが本書で何度も書かれていたけれど、「それ、日本も一緒」と
読んでいて、何度も思っていた。
どこの国も大きな分断が進んでいる気がする。
どこかの大統領だけのせいではなく、世界全体の雰囲気なのだろうか。

積読本を減らす

洋書を読んでいると、あまりの読むスピードの遅さに
自分でイライラしてストレスが溜まってきたので
久しぶりに積読本を読むことにした。

ママ友におすすめされた『京大芸人』。
高性能マシーンのように勉強ができたという宇治原さんの
学習方法は興味深い!けれど…文系だなぁと思った。
とにかく暗記、記憶力に重きを置いてあるところなどが特に。
元の頭もよかったのだろうけれど、意外にコツコツやっていたのね、
と思ったり。 

京大芸人

京大芸人

  • 作者:菅 広文
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/10/30
  • メディア: 単行本
 

 
そして、『東大医学部』 

東大医学部 - 医者はこうして作られる

東大医学部 - 医者はこうして作られる

 

 医学部が未知の世界なので、どんなものかと興味深かったけれど
意外にまじめではない学生生活に、「うーん・・・」と
唸ってしまいそうになる箇所もちらほら。
検体を解剖するときに音楽をかけることはありかなしか、
さらっと書いていたけれど、
できたら、もうちょっと検体への感謝や敬意が欲しい…と
思ったり。
そして、そういう感じで医者になったんだろうなぁと思うと、
いろいろ気になる。


『猫も老人も役立たずで結構』 

 初めて養老孟司の本を読んだ。
彼のエッセイ、私は嫌いではないかもしれない。
縁側に座って、日向ぼっこしながらおじいちゃんの話を聞く、
そんな感じのゆるいエッセイだった。
とても読みやすい本で息抜きになった。
哲学者かと思ったら解剖学者でびっくり。

『異国トーキョー漂流記』 

異国トーキョー漂流記 (集英社文庫)

異国トーキョー漂流記 (集英社文庫)

 

 トーキョーでいろんな国の人に出会うのだけれど、
アメリカとかイギリスとかではない。
コンゴ
フランスやスペイン人も出てくるけれど、
読み終わるとコンゴ人家族の話しか記憶にないほど強烈だった。
フランスの植民地化で文化を奪われた内なる怒り、
その後のコンゴの内戦によりアメリカへの移住。
その移住に作者が一肌脱いだくだりはとても面白かった。
「それでいいのかアメリカ人!」とコケそうになったけれど。

日本を出れば何かを得られるのではないかと日本を
脱出しなければ!と考えていた若かりしときの筆者と、
同じように考えて日本にやってきた異国の人々。
日本では必死のアーティストだったフランス人女性が
パリで自然体に暮らしている話など、うなづけるものがあった。

筆者の時代よりも、より世界と日本でつながることが容易になったいま、
目的は”つながる”ことではなくて、その先なんだと改めて思う。
日本から脱出すれば何とかなる!と思っている人は
まだまだいるけれど。

板バッグ

なんだか知らない間にフランスのパルが
日本びいきになっていて、手紙を読んでびっくりした。

まずは、刺し子をしているし、
日本語のYoutubeを見ながらオムライスを作った、と。
そして、フランスではあまり流行っていないらしいけれど、
彼女がいま夢中なものがあるらしい。
なんと、それをバレンタインデーに恋人が買ってくれたの!
というプレゼントの話を日本のものの流れで書くのだから
日本の製品?
その名も、”ita-bag".

ita-bag,板バッグ?
かまぼこ板に紐通したような原始的なバッグでも
流行っているのかしら?
シースルーのバッグが流行ったりするご時世、
なにも驚かないぞ!と思いつつ、どんなのがita-bagとやらなのかと
google検索をかけてみた。
わからない単語を調べるときは、”画像”を見るのが一番!
のハズだけれど、見てもわからない。

DSC07980

トートバッグもあれば、リュックサックもある、
ハンドバッグもあって…
なにがイタ?どこがイタ?と思いながら検索をかけると
漢字が出てきた。
”痛バッグ”

"What does ita-bag means?"
と私のように聞いた人がいた…。

An ita-bag (also ita bag or itabag; 痛バッグ, lit. "painful bag")
is a handbag, backpack or other kind of bag covered in badges,
buttons, figurines and other merchandise pertaining to anime
and manga fandom. ... In both cases,
the "pain" refers to the pain inflicted on the bag or car,
and to the owner's wallet.

痛バッグは”痛いバッグ”、ハンドバッグ、バックパックやそのほかの
バッグにバッジ、ボタン、人形やアニメや漫画に関するいろいろな商品で覆う。
”痛い”には二つの意味があり、バッグや車に痛みを与えるという意味と
持ち主のお財布を痛めるという意味。

…知らなかった!
じゃあ、もしかして、あのイタ車痛車だったのか?
漢字で書くと通風もちの車のよう。
てっきり、イタズラしてある(絵が描かれている)車かと思っていた。

 多分、日本へ注文した痛バッグ、
コロナウイルスの影響かまだ届いていないらしい。

貴族のガス

花子の化学の塾の送迎で先生や花子から化学のプチトリビア
聞くことになっている。
今日のトリビアは”希ガス”。
化学を花子と一緒に学んだ(私は途中で脱落したけれど)とき、
希ガス”と習った。
しかし、『アトキンス一般化学』では”貴ガス”になっている。
アトキンス先生の解説によると、

周期表の右端に並ぶ18族を貴ガス(noble gas)という、
ほかの元素とは簡単に結びつかず、なにか高貴な存在を
思わせるので貴をつける。かつては希ガス(rare gas)と呼ばれ
反応性がゼロに見えた1960年代まで”不活性ガス”と呼ばれていた。
*2017年現在、教科書で”貴ガス”への移行が進行中。

出典:『アトキンス一般化学 上』

 

アトキンス 一般化学〈上〉

アトキンス 一般化学〈上〉

 

 知らなかった…。希ガスが貴ガスになっていようとは。
しかもほかの元素と簡単に結びつかなくて貴族みたいじゃん!的な発想で
貴族の称号を得るとは!
貴ガス、すごいじゃん!と私は一人興奮。
花子は「高貴な貴ガスって、アトキンスおじさんジョークじゃない?」と
一笑に付していたけれど。アトキンス教授!アトキンスおじさんじゃないから。
随所に面白く、クスっと笑える箇所が『アトキンス一般化学』には
ありますよね、と花子は化学の先生に話し、
「そう?こんな教科書、見る気なくなるわ。」と先生が言っていた。
上巻だけで250ページ以上あるし、いくらカラフルになろうとも
私も読もうという気が起きない。
無人島に『アトキンス一般化学』しか持っていけなかったら
1か月は泣くな、と文系の私は思う。
どうせ1冊なら『新明解国語辞典』を持っていく!

花子の塾にお迎えに行ったとき、先生に申し訳なさそうに言われた。
「宿題というつもりで出したわけではなかったのですが、
花子ちゃんがしてきてくれていて…
テスト勉強はどうだったのでしょうか?」と。

「テスト勉強、ふつうにやっていましたよ…」と返事をしながら、
宿題に渡されたドリルが3割程度しかできていなかったのは
テスト勉強していたからで…と私もつい言い訳。
テストが金曜に終わり、その日は一日遊び呆け、
土曜の午前中にだけ化学をやった結果です、すいません…と謝った。
ドリルも教科書も半日しかしてません…。
「先生に1時間分の質問を持っていけるまで化学しなさい~!」と
言ったんですが、やっぱり少なかったですか?と聞くと、
「午前中だけ?それでこの量ですか?」と驚かれた。
やる気ない生徒だなぁ…と思われたわけではなかったようで、ほっとした。

花子が本を読んで問題を解き、(『アトキンス一般化学』には問題がある)
高校でも学ばない単位計算を含めて理解している。
「中学生ができるはずがないのに。。。」と驚きつつ、褒めてもらった。
先生が驚いたのはgcm⁻³、これを花子が意味を理解している!と。
花子の塾のお迎えに行き、私が先生から数学を習っているような…
復習なのか新しい学習なのか新鮮な気持ちで聞いている。

これから3月末まで1か月間、ピアノと化学のボーナス期間。
テストはないし、思う存分にピアノと化学に明け暮れます!と
花子も化学の先生に宣言し、
「中学校の宿題とかは大丈夫?」と聞かれていた。
自習ノートなるものが毎日1ページ宿題としてすることになっていると
花子が話すと、
「自習ノート!懐かしいなぁ!なんの教科をいつもしているの?」
と先生に聞かれた。
「化学!」と意気揚々と答える花子に、化学の先生も
「・・・それ、いいの?」と絶句しつつ聞いていた。
「いまのところ、注意されてないから。」と花子。
担任の先生からのコメントには”状態方程式!!”とか書かれていたけれど。