某国の友人から、「お願いがあるの!」とメールが来た。
お金はないわよ!と前置きし、内容を聞くと、
日本語に翻訳してほしいの!と。
そのくらいなら、お安い御用!と簡単に引き受けた。
いままでもちょっとした知り合いから各種、翻訳を頼まれた。
日本人の想い人に日本語でラブレターを書きたいの、だとか
(意外にセンスを要する翻訳で苦労した割に…でしたが。)
ホームステイ先に日本語でお礼状を書きたいだとか
(こちらは完璧!と悦に入る出来栄え)。
っで、誰に出す文章を翻訳するの?と聞くと、「日本大使館」と仰る。
実は彼女は某スポーツ団体の理事秘書みたいな仕事をしていて、
そのスポーツの選手権が行われるので、
日本大使をご招待したい、という。
彼女は日本語がまあまあできるので、私は手直し程度かと了承したら、
英文でずら~っときましたよ…。
そもそも大使館なら、何語でも現地語を日本語に訳すスタッフはいるだろうから、
そのまま送れば大丈夫!と怖気づいて言うと、
同じことを彼女がボスに言ったら、
「君ができないなら、もっと有能な日本語ができる人を雇う」と。
生活がかかってるの~!と言われたら仕方がない。
・・・最善を尽くします!
英語で手紙を書いている私ですから、単語力は…って、単語の種類が全く違う!
Excellency(閣下)とかでてくるんですから。
閣下と殿下の違いは何?大使は閣下?殿下?と疑問に思い、
安請け合いしすぎた…と気付く。(大使は閣下です)
しかも、そのスポーツが日本関連なもので、各種漢字が必要で…
え~っと、どんな漢字?この人名の正しい漢字は?と
ネットで人名検索かける羽目になったり。
現地の地名やホテル名にも四苦八苦…。
単語はすべて訳せても、次は敬語表現ですよ。
私、敬語がわからなくなると幼少時に見過ぎた時代劇のフレーズが出てくるようで、
「恐悦至極にございます。」とか「身に余る光栄です。」とか、
やたらとへりくだる。。。
英語勉強している場合じゃないじゃないか!
日本語がまずいよ、と気付かされましたよ。
気づけば夫と2時間…。主に私の変な日本語を自然な日本語に直すのに
時間がかかりました。「○○や○○」ではなく「○○並びに○○」が適切だとか、
句読点ではなく「を」を入れるべきだとか…細かい指摘の連続。
極めつけは「主語入れ過ぎ!日本語として変。」と。
夫のアドバイスを聞き推敲を重ねつつ、某国のパルに
「チョコレート1つじゃ足りないからね!」とメールして、
「チョコレート以上のものを贈らせていただきます」と言質をとってました。
なんとか日本人が読んでも違和感のない文章が出来上がりました。
夫と二人でほっ。
「安請け合いするからや!」と夫に言われましたよ。
一応、現地語の招待状も入れといてよ!とメールして、任務完了!
翻訳された本を「面白くない。翻訳が下手!」「日本語が変!」「意味不明」と
散々にいままで言ってきた私ですが、
その節は…大変失礼いたしました!!!と翻訳家にひれ伏したい気分になりました、
たった1枚の招待状で。
こういう機会で、「これぞ私のしたいこと!」と目覚める人もいるのでしょうが、
正直、二度と嫌だ。
チョコレートじゃ足りない…。