ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

年を取ったと感じるとき

「最近の若者はさ…」と若者批判を始めたら年を取った証拠、
というのを何かで読んだことがある。
若者批判以外にも年とったなぁ…と感じるときはあるけれど、
海外の友人たちと話していて「年とったなぁ…」と思うときは
「我が家のこどもは恵まれているわ!私の環境は…」と
過去の大変さをつい語ってしまうとき。

これが私だけではないからか昨日、受け取ったメール2通とも
同じようなことが書かれていた。
サウスカロライナ州のパルが「親が二人揃っていて、
父親も毎日帰ってくる。一人っ子で何にも兄弟で分け合う必要もない。
彼が自分の恵まれた環境に気づくのは結婚してからでしょうね。
彼と同じ環境で生活している子どもがアメリカにどのくらいしか
いないか、そんなことを考えたこともないと思うわ。」と
ひどくご立腹だった。
彼女の息子くん、まだ8歳ほやほやだからね…。
考えたことないと思うわ、普通。
それでも、花子の思春期の言動を話すと、花子の自立心を理解しつつ、
うちの息子も花子と同じような道を歩むのだろうと思う、と。

Of course he takes us for granted.
(もちろん彼(息子)は両親がいることを当然だと考えている。
take it for granted : それを当然のことと思う

と、彼女の息子君について語っていた。
自分のこどもが”当然と考えている”ことが実は当然ではないのよ!
という憤り。
「わかるわ~」と、これに同調したくなったとき、
私も年取ったわ…と思った日の夜、スイスのパルからメールが来た。

彼女は成人した子どもが二人いて、夫は大学教授。
そんな彼女にこどもたちの思春期はどうだったかと
メールで前回、聞いてみた。

I remember when our daughter was in that phase.
(我が家の娘がその時期だったときを思い出したわ。)
It was so terrible! (すごくひどかった!)
All we did, was wrong,
especially my husband, he couldn’t do anything right.
(私たちのしたすべてのことは間違っていた、
特に夫はなにひとつ正しいことができなかった。)

…多分、思春期から15年は経過しているだろうに
いまでもまだ「夫は何一つちゃんとしなかった!」と
怒られている…彼女の夫は大学教授ですけれどね、理系学部の。
きっと教育心理学の教授とかなら違った?
行動経済学の教授なら正しく誘導できた?
いやいや、きっと自分のこには正しく接することができない
ものなのだろうと思う。

そして、彼女もメールの半分を使って語っていた。
「私の家庭環境なんて、継父との関係も悪く、母親との関係も悪く、
祖母のところへ行ったり、戻ったり…」と。
それに比べて、うちの子たちときたら!!!
家庭環境もいいし、父親は大学教授で、
一体、なにを理由に母親に反抗できるわけ?!という怒りも
彼女にはきっとあっただろうなぁ…。
むくむくと沸き上がった自立心から反抗するこどもたちより、
「なんで私が反抗されないといけないわけ!!」という怒りに燃えた
母親の心情に激しく共感してしまう。
「ホルモンのせいよ。」「自立への第一歩よ」
「セカンドステージよ」というような言葉は
そういうママさんたちへの何の励ましにもならない。
ただ一言、「お疲れさん!」に尽きる。