ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

『ギフテッド 育児奮闘記』

いままでで一番共感できたギフテッドの本といえるかもしれない。
『ギフテッド 育児奮闘記』

ギフテッド育児奮闘記

ギフテッドのこどもといっても、タイプはそれぞれで
突出した成果には結びついていないこどももたくさんいること
などが詳しく書かれている。
では、どんなこどもがギフテッドなのか。
世界においてもギフテッドの定義は一本化されておらず、
日本にはIQを根拠にする以外にギフテッドかどうかを
評価できる専門家はほとんどいないこと、
それでも、日本ではギフテッドと認定されても国内で受ける
教育の選択肢が増えないから意味もない、と書かれている。

まさにその通り!

それなのに、どうしてギフテッドについて調べ、
情報を求める親がいるか。

―そのきっかけとして多くの人が挙げるのは「集団生活での
つまづき」、という一見知能の高さとは関係のなさそうな
課題です。

そうなの!まさにそれ!

学校で「浮きこぼれ」の状態に陥っているわが子を、
いったいどうサポートすればよいのかー日本では、そんな
悩みを抱える保護者が巡り巡って、「ギフテッド」に
たどり着くことが多いようです。
(中略)
教育現場でのギフテッドに関する理解はまだまだ乏しく、
均質を求めがちな学校社会の中では解決手段があまりありません。

「それよ、それ!」以外の言葉が出ない。

本書には8人のギフテッドたちがでてくる。
その大半が不登校になったり、転校したり、海外留学したり…。
いろんな学校に行ったり、ママさんたちが試行錯誤してきた
過程が書かれているけれど、それぞれが本当に
千差万別で、「これをロールモデルにすればいいのね!」
というような例はでてこない。
そこがまたギフテッド教育のむずかしさなんだろうなぁとも思う。

2017年に施工された教育機会確保法や
2019年に出された文部科学省の通知で
学校復帰のみを不登校支援の目標としないことも明記された、
といった情報などを本書で知ることができた。
フリースクールを出席日数にカウントすることが
できるようになったということも初めて知った。
(条件がいろいろあるようだけれど)

たくさんのママさんたちが学校と交渉したり、
先生と話したり…往々にして希望通りにいかなかったり。
そういういろいろもひっくるめて、激しく共感した。