ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

基準

人はそれぞれに基準を持っている。
乗っている車で判断する人もいるけれど、
多くの人が”家”で判断する、と小さな家に住んでいて気付いた。
自慢ではないけれど、我が家より人口密度の多い家は
校区内にないのでは?とすら思っているし、
農家のおじさんには「うちの倉庫にすっぽり入る大きさだね!」と
いわれたこともある。
入ると思うだけに、何も言えない。
「5人、どうやって寝ているの?」と聞かれたことも何度もある。
そんな中、ピアノの調律師さんだけは
「グランドも置けますよ!」と言っていたけれど。
いや、それもうグランドピアノしか置けない…。

そんな小さくて掃除が楽ちんで、光熱費も安くて、
お手頃な家をあまりの窮屈さに住み替えすることになり、
引っ越す先は大きい家。
「あの大きい家?!」
「ここは大きいから維持が大変よ」とか、
「実はお金持ってたのね!」とか、関西人は何でも言う…
言われた。

我が家はなにも変わってないのに、家を変えるだけで
そんなに?!というほどにすでに視線が変わったことに驚いた。
家、というのはお金の有無をわかりやすく見せるものだと
みんなは思っているのだなぁ、と改めて気づいた。
その大きな家が35年ローンでも?
小さな家を一括で払ってローンがない人より
大きい家に住めばお金持ち?
現金をほどほどにもって、時間に余裕があって、
心にも余裕がある人が裕福な人だと私は思う。

大きい家を持っていることは、イコール裕福ではないと思うし
お金を持っているからといって、敬意を抱くことはない。
そんな私と夫が今回の物件の売主さんには敬意を抱かずには
いられない。

最初に物件を見たとき、埃っぽかった。
これは業者を入れてハウスクリーニングをすれば…
とネットで見積もりをして10万円したので
私が引っ越し前に1週間かけて掃除か…と、
げんなりしつつ、掃除道具を買い込むしかない!と
気合を入れていた。
2021年の趣味は実益も兼ねて掃除にする!と夫にも宣言した。
(既に、撤回済み。)

売買契約後にカーテンのサイズなどを測りたいと売主さんに
話すと、次に行く機会があるときに、一緒に、となった。
そして、その日に行ってみると、
売主さんが業者さんを入れて掃除していた!
中も外も!
不動産屋さんも「前も掃除の人が入っていたのに、また?
見るたびにきれいになっていきますね…」と呆然。

契約後に売主さんがハウスクリーニング?!
(ふつうは買主負担でハウスクリーニング)
なんていい人なんだ!!と思っていたら、
しばらく使っていなかったガスコンロが故障していたので
入居までに交換しておきます、と売主さん。
賃貸ではなく、売買物件で?契約後に?
中古物件は”現状有姿渡し”が基本の中でガスコンロ交換?
完敗した。
徳が高いって、ああいう人のことを言うのか…と。
買い手がついてから、お金をかけるって、すごくない?と
こどもたちですら茫然。
我が家も小さな我が家を売るかもしれないけれど、
「そのときは、我が家は現状有姿で」と不動産業者に
つい言った私、器が小さい…。
勉強をちょっと頑張ったところで成績優秀者はもっと
勉強しているから、差が縮まらないのと同じ。
徳が高い人は常に善行をし続けているんだなぁ…と
家族で恐れ入った。

そういえば、売主さんが「いい人に買ってもらってよかった!」と
何度も言ってくれた。
あら、私の人柄の良さがでてます?
それとも売主さんと同じ子ども3人いる家族だから?
と思ったら、どちらも違った。
「ご主人のも奥さんのもいい!!」と大絶賛されたのは
我が家の車。
外車…なわけではもちろんなく、国産車です。
私の車は、ディーラーさんが「これはいい時代でした…」という
時代の車で、車好きな人は「いいねぇ!!」
と言いたくなる車で、売主さんも同じメーカー愛用、
そうか、あなたもスバリストでしたか…。
「僕が前に乗っていたのは…」と売主さんが語り、
「あぁ、あれはいい車でしたね!僕は前に…」と夫が語り、
車談議に花が咲いていた。

大きい家になっても、中身は変わらずやっていこう、と
家族で言い合った。
直近の問題は、部屋数は多いけれど、エアコンをいくつ
つけることができるか…。(予算の都合で)
家が広いのに1室に集合して夏に寝ていたら、笑うしかない!