ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

バックハンド

ロンドンのパルに末っ子のオンラインの先生の話をした。
過去に何度も話題にしたことのある”職人気質の数学の先生”。
我が家では花子と次郎がお世話になっていて、
理系の生徒向きの先生で、間違っても文系向きの先生ではないと思うので
太郎の数学は別の先生にお願いしている。

かれこれ2年の付き合いになる先生で、かなり先生の言葉への免疫も
ついてきたけれど、いまだに驚くことは多々ある。
まぁ、アノ先生だから、と我が家ではもう別格扱い。
「こういうことは言ってはいけないんだけれどねぇ…」というのが
先生の口癖で、先生はよく言う。
次郎はいつも「また先生言ってた、”こういうことは言ってはいけないけれど”」
と、笑いながら話す。
それを聞くたびに、次郎はどう思うの?と聞くと、
「わかっているなら、そこでやめとけ!」と思うらしい。
中1、大人だな!
それでも、その先生に数学を教えてもらうとトントンペースで
学習が進んできたことも事実で、要点が簡潔でわかりやすい、と
花子と次郎は言う。
私も何度かこっそりと授業参観したけれど、
全く理解できなかった!!これでわかる?端折りすぎじゃないのか?
予習なのにこれ?と絶句したので、相性は大きいと思う。
その先生、花子のことを”ブレーキのない高性能のスポーツカー”だと評し、
言いえて妙すぎて膝を打った。

次郎のことは…先月、先生が月末の報告メールで語っていた。
「数ⅠAの2次関数で天才次郎君、生き返りました!」と。
生き返る?
どういう意味なのだろう…簡潔すぎて、意味不明だけれど、と
次郎に確認したら、
中学校に入学以降、”眠れる獅子”と思っていた次郎が消えてなくなり、
”眠ったまま死んだ獅子になった”と先生は思っていたと言われたらしい。
それが2次関数では高正答率で先生を満足させ、
ついに”眠れる獅子が生き返った”ということらしい。

褒められた…のか?
けなされた…のか?
いや、さすがあの先生の誉め方は独特すぎる!!と我が家では
話題になった、とロンドンのパルに語った。
ロンドンのパルが言った。
"That is very backhanded compliment."
backhandedって、テニスのバックハンドストロ―クのバックハンド?
どういう意味になるんだ?と思ったら、
”皮肉を込めた”という意味らしい。
backhanded compliment:皮肉を込めたお世辞

あの先生は”皮肉を込めたお世辞”ではなく、
上げて落とす誉め方が主流なんです、持ち味と言うか…。
それを”面白い”と思える生徒と親にのみ慕われるんだと思う。

我が家では「こういうことは言ってはいけないんだけれどね…」と
前置きをしてから本音を語るのがブームになっている。
相槌はもちろん、「そこでやめとけ!」。
「そこでやめとけ!」と言われつつ、「大体だね~…」と語るのが
我が家でだけ流行ってる。

backhanded compliment、私も得意かもしれない!