ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

大人の対応

www3.nhk.or.jp麻生さんが上川外相の外見について言及したことが話題になっている。
正直、誰も麻生さんの失言に驚かないだろうけれど…と
思っていた。
しかし、その発言についてどう思うか?と上川外相が聞かれたとき、
「いろいろな意見があると思う」という返答は
正直、とても失望した。

”大人の対応”だった、ということはわかる。
彼女はそうやって人生の荒波をくぐってきたのだろうとも思った。
男女差別もいまよりあからさまな時代から、その役職まで…
それでも、それだからこそ、彼女の発した言葉の影響力を
もっと考えてほしかったと正直、思った。
「そうか、外見に対する失言にはスルーが正しい反応なのか」と
後へ続く女性たちに思わせないでほしかった。

上川外相の発言と対比して再浮上しているのが
アメリカの女性議員のスピーチ。

front-row.jp

男性議員の侮蔑表現にそんな言葉を許さないという思いを
後の女性に伝えたいという彼女のスピーチには拍手をしたい。

実は、私もここ数日、どうしようかと思っていることがあった。
相手は違法行為を無意識にしていて、それを監督機関を通じて指摘したところ
「すまんかったな!」と電話があった。
電話1本!?監督機関に指示され、事実確認後の翌日に!
「すまんかったな」が謝罪か???
つい「それは謝罪の電話ですか?」と確認をとったほど。

70過ぎの高齢男性には若い女性に違法行為を指摘されることも
腹立たしかっただろうし、
謝罪の電話をするように監督機関からせっつかれたこともさぞプライドが
傷ついたことだろう。

その謝罪を受け入れたか?
いいえ、全く。
そのおじいさまったら「白黒はっきりさせたいんか?!」と
電話ですごんできた。
「これ、謝罪の電話ですか?」と確認したほど。
白黒はっきりさせたいのなら、もう白黒ついていて
謝罪の電話をするように監督機関から言われてあなたが電話しているんでしょ?
あなたが白黒を判断するところはどこにもない、と私も冷静に怒ったところ
「あんたの言うことは理解できない!」と吐き捨てられた。
そして、おじいさんは謝罪の電話をかけ続ける(ほかにも同じ行為をしていた)中、
「あそこの人にすごい言われた」と吹聴。謝罪の電話で!
監督機関にもう少し監督するべきではないかと再度電話をしたほど。

その素敵なおじいさまに、また会う機会があるらしい。
「このことはこの電話で終わったからな!」と謝罪電話で言ったおじいさまに。
私の思う”謝罪”とあのおじいさんの”謝罪”には太平洋横断以上の距離がある。
そんなおじいさまに何を言ったところで変わらないだろうし、
時間と労力の無駄だから、もう忘れようかと思っていた…。

そんな私に喝が入った上川外相の発言だった。
夫にも「私が大人を見せましょう!」と宣言。
時代錯誤の倫理観で違法行為をしていて、謝罪の電話もできていない人に
”大人”っていうものがどういうものか見せてあげましょう、と。
きっとそのおじいさんの時代には年下の女性が年上男性に反論を述べるとか
批判的意見を述べるとか、盾ついてくるとかなかったのだろう。
そして、実はいまでもなかったのだろう。(ビバ、田舎!!)

「女性だからなめられたのね」
「若いから、相手にされなかったのね」
「いやなことは忘れてしまったほうがいい」
と、年上の先輩女性から各種、温かいアドバイスをもらった。
それは本当の親切心で、私のことを思って言ってくれていることはわかる。
わかるからこそ、悲しい。
私が欲しいアドバイスはそれではない!
なんで誰も「立ち上がって、教えてやれ!今は21世紀なのに、
いつまでその古い価値観で生きてるんだ!とあの爺に!」と
言ってくれないのだろう。

上川外相にも言ってほしかった。
「性別や年齢に関係なく、他者への外見に対して意見を述べることは
現在では下品極まりないことだとそろそろ学ばれたほうがよろしい」と。

それこそが”大人の対応”だと見せてほしかった。