ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

よい先生

ゴミ出しにいったときに出会った近所のおばちゃんに
朝から元気よく挨拶をしたところ、
「メイさんって、いつも溌剌としているわね~」と
褒められた。
溌剌(はつらつ)としているって、若く見えるってこと?と
夫に喜んで話すと、
「それって…メイさんの年齢が実際、若いのを知らないだけでは?」
という一言をもらった。
年上のママ友たちにその話をすると、
「メイさんは若い!まだまだ元気だわ!エネルギーにあふれてる!」
と言われたけれど…
ええ、まぁ、実際、若いので。。。

多分、彼女たちが”メイさんは若い”と言うのは
私が次郎の登下校トラブルに、久しぶりに頭から湯気出して
怒ったからなんだろうと思う。

3人目の次郎、登下校トラブルなんて、慣れたものですよ~と
言いたいところだけれど、毎回、ため息しか出ない。
いままでの経験から言うと、先生のおざなりな対応に
いらーっときて、加害児童の保護者にいらーっとくる…。
カエルの子はカエル。
子は親の鏡、という言葉を痛感するのみ。
親を見れば子がわかる、子を見ても親がわかる、と
年上のママ友が言っていた。
肝に銘じようと思います。

しかし、「今回は担任の先生の対応が素晴らしかった!」
と、ママ友や友人に言うと、
「メイが先生を褒めた!?」とクララが立ったレベルで驚かれた。
いままで20人近くの先生に担任してもらったけれど、
ベスト3に入れてもいい!
ベスト3の内のもう一人も次郎の担任だったので、
次郎はよい先生に巡り会う率が高い!
ベスト1は…空席にしてある。いつかもっと素晴らしい先生に
会えるハズと信じて。
ワースト5はすべて花子の担任がランクイン!
ひどかった…筆舌に尽くしがたいレベルでひどかった…。

先生って、年齢や経験ではないんだ、と改めて思った先生だった。
臨時採用の先生のようだけれど、
”必要なら、私が推薦書、書きますよ”と思ったレベル。
推薦書がいるのかどうかも知らないけれど。

トラブルの電話をしたとき「どうしましょう?」と言われたので
頼りなさそうな感じの先生、という印象を受けた。
でも、この先生の年齢(新卒プラスα)からし
トラブルに慣れてないんだ!
それなら、私の希望をストレートに伝えよう!と伝えてみた。
要点も簡潔に。
先生は私の希望を汲みながら、即日で動いてくれた。
そして、行動するたびに報告?の電話。
「どうしたらいいと思いますか?」と。
・・・私はあなたの指導教官か!とちょっと思ったけれど、
保護者の価値観も多様化している今、ひとつひとつの確認を
してくれるのは良い先生だ、と思うことにした。
トラブルが一応解決した後も、
「相手の親にはどう伝えましょう?」というのも私に聞かれた。
それも私に聞くのか…。
先生、職員室に相談相手はいないのか?と心配になるほど。

先生は頑張ってくれた…でも、次郎はちょっと精神的に
しんどくて1日だけ欠席した。
その日も「僕の対応が間違っていましたか?」と電話があった。
先生へのフォローも私か?!
保護者の私が先生をフォローするのか???と思いつつ、
「先生はすごくよくしてくれました!でも、気持ちの整理の
時間をちょっとあげてください。」と伝えた。
1日休んで、次郎は学校へ行ったけれど、帰りは心配で
私が迎えに途中まで行くと、ニコニコで帰ってきた。
「ニコニコで帰ってきて、とても安心しました。
ありがとうございました。」と先生に電話で伝えたところ、
「そのことで電話をくれたんですか?僕、泣きそう…」と。

いい先生になる先生だと太鼓判を押したい。
若い先生たちに何度か担任してもらったことがあるけれど、
”育てるのよ”と元教員ママたちから言われたこともあるけれど、
「いや、これは…無理!」と匙を投げてきた。
その先生たちは、出会ったころから変わってないのに
いまはなぜか自信満々。
「若いから仕方ない」と思われなくなってからのきつさに
まだ気づいてないのだろう。

でも、次郎の担任は良い先生になるだろうと思う。
いろんな保護者に会って、いろんな価値観に出会って、
それらをうまく吸収して対応していく良い先生になるのだろうな、と。
我が家の今回の騒動を元教員ママさんたちに話すと、
「良い先生だと思う」と口々に言っていたのも印象的だった。

 

テスト勉強

学年末テスト真っ最中の中2の花子に
「今回の音楽がすごく難しかった!」と言われた。
花子の中学校の音楽のテスト、聞き取りテストがある。
音楽が流れて、何拍子の曲でしょう?というような問題もあれば、
よくある問題もある。
ピアノをしている花子には音楽のテストは基本的には
それほど難しくない…はず。

今回は「運命」の正式名称は?という問題があったようで、
交響曲第5番」と私は大人げなく即答。
ベートーヴェンは間違えてはいけないでしょ~と
悦に入りながら語っていると、
アイーダの問題もあった」と。
あぁ、イタリアのオペラ。
全4幕…というところが私の持っている知識のすべてですが…
テストの問題は「『アイーダ』の登場人物は?」だったとか。
・・・終わったな、と花子に言うと、
「終わったよ」と。
「初日の音楽で、すでにメンタルやられた…」らしい。

それでも、空白はだめだ!と必死に人名を考えたらしい。
イタリアのオペラ…イタリア人の名前…
「アントニオ」しか出てこなかった、と花子。
クラスメートたちはたくさん書いたようで、
「ジョン」とか「ボブ」とか…イタリアのオペラなのに?!と
笑いながら聞いた。

アイーダ古代エジプト時代を舞台にしたオペラだった。
ということは、イタリア人の名前もアメリカ人の名前も
かするわけもなく、
アイーダ」「ラダメス」「アムネリス」「アモナスロ」
これはもう覚えてないと絶対に書けない。

本日も早起きして、勉強を開始したらしい花子。
5時に起こされた。
「勉強、一緒にしよう」と。
私と夫の寝室に朝の5時にきて言うので、つい
「科目は?」と半分寝ながら聞いた。
理数科目なら夫を起こせば終わる、と思ったのに花子に
「漢字、一緒にしよう。」と。
5時から?朝の?一緒に?漢字?
やりましたとも!
部屋がすでに暖かったので、何時から始めているのかと
聞くと4時起きで最終チェックをいろいろとしていたらしい。
漢字を40分ほどやってから、夫と交代し、
夫が出勤前まで数学を見ていた。

「テスト、がんばってー」と、いつもなら送り出すところですが、
「5時に起こした分、漢字の失点は許さん!」と送り出した。
これで漢字の失点があれば、泣く…私が。

 

『女坂』と『おしん』をまぜまぜ

"A WOMAN IS NO MAN"

A Woman is No Man: an emotional and gripping New York Times best selling debut reading group novel (English Edition)

現在、3割読んだところ。
パレスチナに住むアラブ人の少女(!)が
数回会っただけのアメリカ市民権とりたてのアラビア人男性と
結婚を決められ、結婚式の数時間後にアメリカへ行く。
父親は気に入らないことがあると母親を殴り、
彼女もベルトを使って父親に虐待される。
きっとアメリカには自由が…と夢見る。
もちろん、見知らぬ人に近い夫とも愛し合えるはず、と。
数十年後、彼女の娘はほぼ彼女と同じ状況に陥っている。
「本がなんの役に立つの?そんなの女には無駄よ!」と
親や祖母に言われる。

これは…円地文子の『女坂』を彷彿とさせる。

女坂 (新潮文庫)

(『女坂』1957年出版。愛人の存在に苦悩する本妻に悔し泣きできる話。)
家のためには娘より息子よ。
娘なんて、所詮は嫁に出るのだから…というあの時代。
それに加えて『おしん』をミックスさせた感じ…に
私が読んでいるところ(3割部分)ではなっている。

テレビを見ているお姑さんに「チャイを入れて」と言われ、
お姑さんの好むチャイを完璧に入れる。
っが、「なに、これ、ひどいわね!」と言われる。
・・・「おしんだ!」と声が出てしまったので、
中学生の娘に「英語で『おしん』読んでいるの?」と
驚かれてしまった。

アメリカには自由がある!そこにはパレスチナとは違う
自由があると思って渡米するけれど、
アメリカにも”アラブ”はあった…しかもブルックリンに!
ブルックリンにはイタリア社会もあるようで、
ピザの描写にはお腹が鳴る…。アイスクリームもおいしそう。

洋書の本を読みながら、わからない単語を引き、メモしている
ノートがある。
そのピンク色のノートには金色の文字で書かれている。

"She believed that she could so she did."
(彼女はできると信じた、そしてできた)

この一文に見るたびに何だか励まされる、
そんな話をコロラドのパルにしたところ、
"I know myself that when I doubt my abilities."
(わかるわ、私も自分の能力を疑うときがある)と。

それは”女性が作り出したバリアだと思う”と
コロラドのパルは語っていたけれど、
森さんの発言を引っ張るわけではないけれど、
やっぱり女性が発言できない空気は存在する。
そこを無視して発言すれば、”うるさい女”になるわけで…
慣習に従えば、”無口な女””つつましい人”になる。
アラブの世界ではなく、日本の話…。

あぁ、気分が沈む…と読書しながら思っていて気付いた。
そのくらい本に没頭できるって、
私の英語力、気持ち向上したかも?

今年の洋書1冊目

人生で2冊目、今年最初の洋書読破!
"Can You Keep a Secret?"

Can You Keep a Secret?: A Novel (English Edition)

映画化もされたので、観るのが楽しみ。
”The Rosie Project"に比べると、読むのがとても
楽だった。単語が簡単!
そして、面白いので、どんどん読める。

'Now Conor,tell me,'says Jack in confidential tones.
'Did you ever find Emma's...'
If he says 'G spot' I will die.I will die. I will die.
p116

「ところで、コナー、ちょっと教えて、」と
親し気な口調でジャックは言った。
「きみはもう見つけたの?エマの…」
もし、ジャックが”Gスポット”って言ったら、
私は死ぬ、死ぬ、死ぬ。

爆笑しながら読めるシーンがてんこもり。
映画化では削られるシーンもたくさんあっただろうけれど。

www.youtube.com
3週間で読破できたので、次の一冊を…と
まずはロンドンのパルが以前、送ってくれた一冊を手に取った。
1つは東京に住んでいたアメリカ人の女の子が
東京を去る前の7日間のこと。
やれ東京の夏は暑いだとか、六本木に繰り出そうとか、
カラオケだとか駅前のドーナツ屋だとか…
3割も読まずに脱落。
女子高生に興味ないわ~!!となった。

それでは、チェコのパルが前に送ってくれた本の中で
一番読みやすそうな本で…と選んだのは
アラブ系アメリカ人の18歳の女性が祖父母に結婚を強要され、
それは彼女の母親も同じだった…というあらすじ。
"A WOMAN IS NO MAN"

A Woman is No Man: an emotional and gripping New York Times best selling debut reading group novel (English Edition)

レビューをチェックすると、賛否両論だった。
最後までたどり着けるかちょっと心配。

次の一冊の選定に余念がない私に、
娘の花子が「日本語の本と同じ感覚で選ばないの?」と聞いてきた。
コミュニケーションとか心理学とか教育関係とか…
読めません。。。
英語レベルは現地の女子高生レベルなのだろうと思ってる、
わかってる!
それでも、コロラドのパルがお勧めしたトワイライトシリーズは
さすがに無理。

Twilight: Twilight, Book 1 (Twilight Saga) (English Edition)

あらすじも大体わかるけれど、吸血鬼とラブストーリーって、
いやそういうのはもう飽きるほど読んできたから
なにを読んでも既読感いっぱい。
それでも、ラブコメが私の英語力では読みやすい、
ということがわかったので、”Can You Keep a Secret?"と
同じ著者の本も購入。

"Remember Me?"

Remember Me?

起きたら記憶喪失で、大富豪と結婚していた…という話。
まるでハーレクイン小説だわ! 

洋書選びの方法は千差万別で、
絵本や児童書からレベルアップをしていくことを
勧める人も多い。
その方法で児童書を2冊読んでみたけれど、
児童書はやっぱり児童書で…面白くないわ~となった。
読んで面白いと思える本でないと、日本語でも途中で
放り出したくなる。
日本語だとそれでもなんとか最後まで読めるけれど、
英語で書かれていると途中放棄率が高い。

kindleのアプリでサンプルダウンロードができるので、
最初のほうをちらりと読み、おもしろそうで、
単語についていけそうなら紙の本を買う、という方式で
数冊買ってみることにした。
今年の目標、洋書10冊読破を目指したい。

 

内覧

実は…家の内覧に行ってきた。
わが家が狭い?と実は密かに思っていたけれど、
光熱費は安いし、こどもたちがどこにいるかもすぐわかるし、
ローンが安いおかげでちょっぴり余裕のある生活ができる、
と思っていた。

こどもたちが成長してきて、「狭い…」と思うようになった。
しかし、花子が高校を卒業するまであと4年。
その後、大学へ進学、下宿…その2年後には太郎、
その2年後には次郎…となったとき、
私と夫にはちょうどよい大きさだと思う。

そんなとき、夫が言った。
「花子が自宅から大学へ通ったら?太郎も同じだったら?」
ほぼ大人5人がこの家にいる…?
いやいや、無理だから!!と急に焦り、
なんだか一緒に焦った夫とネットで見た物件を見せてもらってきた。

広さは我が家の…5倍?!
どっひゃーな広さでしたが、お買い得!
でも、やっぱり安いには理由がある。
家まで階段が20段はある…。
門から玄関が遠い!敷地が広いうえに迂回路!
これを毎日?
車を家まで寄せることもできない。
ピンポーン!と宅急便が来てから、ダッシュしても
まず間に合わない…と思わせる道のり。
前の持ち主の趣味が高じてなのか、
無計画に建てられた感のある建物もあり、
「すべてリフォームしようなんてことは考えたら、だめです」
と不動産屋に言われる。
もし、あの家を買うならローンが…頭金が…
20年ローンで…リフォームしてと頭の中で電卓を叩き、
狭い小さな家に帰ってほっとした。

家のなにを重視するかはその人の人生をあらわすかもしれない、
と今日の物件見学で改めて思った。
広さより快適さ。
狭くてもいまの家より快適な家がいい、と思った。
それにしても、なにをどうしてオレンジ色の壁紙にしたのか、
売主に2時間ほど問い正したい。

 

今年の目標

新しい年になると、海外のパルたちが必ず聞く。
"Do you have New Year resolutions?"
(新年の抱負は?)

今年の目標って…、大人の目標ってむずかしいわーと
毎年思う。年末になると、また目標を聞かれる時期だ…と
ちょっと憂鬱になるほどよく聞かれる。
今年の目標はないです!と言い続けてきた2021年、
目標ができた。
「洋書を10冊読む」。
"The Rosie Project"が最初に読破した洋書!(去年の11月)

The Rosie Project

いま読んでいるのは"Can You Keep a Secret"

Can You Keep a Secret?: A Novel (English Edition)

面白すぎて1日40~50ページ読んでいるのに終わらない…。
(今243ページ目。全部で364ページある。)
気が付けば5ページほど単語を一度も調べてない!
英語力上がったってこと?と勘違いして
英語力チェックしたら、”Intermediate"(中級)と
変わってなかった。

読みやすい洋書はなにか、人によって違うようで、
日本語でも読んでいるような本が面白い、と。
"Can You Keep a Secret"(私の秘密を守れる?)
ドタバタなラブコメディで
日本語でそんな本を最近、読んでないし、日本語では
読もうともしない本だけれど、
過去に読み飽きるほど読んだので、英語でなら読める。

飛行機の乱気流で死を覚悟した主人公のエマが
隣の乗客、ジャックに各種秘密をぶちまけるところから
ストーリーは始まる。
自分の服のサイズを過少申告していることや、
初体験のこと、上司にしている地味で些細なストレス発散、
そんないろいろをぶちまけた相手が勤務先のグループ会社の
社長だったー!というあるあるな展開。
ベタすぎて日本語だったら、「もう筋は読めた」と読まないくらい
手垢がべっとりついた感じのストーリー。

それでも、随所随所で考えさせられた。
主人公のエマが秘密を暴露した相手、ジャックと
初デートをすることになった。
ジャックはエマの理想のデートの話を覚えていて、
座った瞬間にシャンパンがでてきて、好きなメニューは
roasted pepperで、

roasted peppers


(roasted pepper って、焼きピーマン?!)
デザートは…と彼女の理想通りにしてくれる。
それでも、エマはそのレストランで初めて見たカクテルに
惹かれ、ジャックのホタテ貝に惹かれ…

scallops

(私もホタテ貝のほうが断然いい!)

確かに飛行機で”理想”は語ったけれど、そのときの私は
あのおいしそうなピンクのカクテルの存在を知らなかったのだもの!
とエマがジャックに語る。
理想をすべて知っていても、うまくいかないものなのね…と
読みながら、しみじみ思った。
いわんや、理想を知らない恋人同士が好みを探り、
お互いがぴったりって思うって、むずかしい。
「君に選択肢を与えるべきだった。」というジャックのことばに
久しぶりの恋愛小説だったのでノックダウン…。

"Can You Keep a Secret?"は紙の本で、
"P.S. I Love You"をkindleで読んでいるけれど、
kindleで本をどれだけ読んでも、こどもたちからは
スマホを見ているだけにしか見えないので、
「最近、お母さん、本を読んでないね」と言われた。
こどもたちへの読書アピールには紙の本で読書しなければ。

英語を読む速度、wpm(words per minute)の
私の数値をサイトで計測してみた。
3回ほどやってみたところ、ジャンルにより
ばらつきが多少はあるものの、200~235wpm。
日本語の本に比べると読んでいて遅い気がするけれど、
思ったほど遅くないのかも。ネイティブは平均300だそうです…。
日本語より英語のほうが集中して、しっかり読まざるを得ず
(意味を類推したり、戻って読んだり、単語を調べたり)
読書して疲れる。

 

『つまづきやすい日本語』

NHKの『プロフェッショナル』で見て以来、
気になっていた辞書編纂者の飯間浩明さんの本を読んだ。
ちなみに彼の携わっている辞書は『三省堂国語辞典』。
私と娘の花子は新明解国語辞典派。
なぜか末っ子の次郎は角川必携国語辞典。
でも、小学校に国語辞典を持っていく、というときは
三省堂の国語辞典。
もしかして、いろいろと国語辞典についてわかってる?と
感心したくなるチョイス。

そんな飯間浩明著の『つまづきやすい日本語』を読んだ。

つまずきやすい日本語 NHK出版 学びのきほん

さすが辞書編纂者とうなったのは、
依存の読み方。
「いそん」という読み方も「いぞん」と共存していたことを知る。
それもNHKのアクセント辞典では1998年の版から
「イゾン」という濁音も許容し、2006年版には「イゾン」が
見出しになったという話などは全く知らなかった。

また、三省堂国語辞典は「的を得る」の「得る」は「時宜を得る」
「要領を得る」などの「得る」と同じで、「うまく捉える」
という意味があるため、「的を得る」も不自然な表現ではない、
と「的を得る」を誤りとする記述を2014年に削った、と。
これも知らなかった…。

そして、言葉の乱れにうるさくなったのも戦後の「言文一致体」が
普及し、話しことばが書きことばの手本とされるようになり、
書きことばの乱れが批判されるようになった、と。
それまでは書き言葉と話し言葉には乖離があり、
話し言葉はどんどん変化すれども書きことばは変化しなかったため
問題が起きなかっただけ、という話など
とても興味深かった。

というところは、さすが辞書編纂者!と思いながら読んだけれど、
これは”言葉”の本、というよりも、
コミュニケーションの本ではないのか、と思うほどに
他者とのコミュニケーションへの寛容さについて書かれていた。

自分の言語感覚だけが正しいと思っていると、異なる世代から
指摘を受けても、それが「世代間ギャップのサイン」である
とは気づかないものです。世代が違えば、ことばの受け取り
方も変わるということを、いつも注意しておくことが必要
p490

著者が学生に「結構です」と話すと、”冷たい”と受け止める
学生が多いことに著者が驚いたことに端を発する。
私自身も「結構です」には冷たく感じる世代、と若さアピール
私の習っているペン字の先生は御年70過ぎだと思われるけれど、
清書に書かれる言葉は「結構です」が誉め言葉だと
最近、わかった。
年代により好む言葉もきっと違うのだろうと思う。

話を伝える工夫を考えるためには、まずその準備段階として、
「自分のことばは相手に伝わらないかもしれない」という
危機意識を持つ必要があります。「自分の話し方はこれで
十分だ。誤解する相手のほうが悪い」と考えているうちは、
伝え方はうまくならないでしょう。 p783

反省しようと思います。。。

読書についても書かれていた。

交際範囲の広い人でも、普段じっくりと話ができる人は
限られています。その限界を超える方法が読書です。p278

交際範囲の狭い私も読書をしようとかと。