ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

番号で呼ばれる

裁判員②になって一番にしたこと。
暗証番号の入力がいる通路を通り特別なエレベーターで評議室に入った。
そこから公判をする部屋へ行き、宣誓。
これ、裁判員経験者のブログで何度か読んだわ…と思いながら。

椅子の座り心地はすごくいいわけでもなく…
裁判員経験者のブログでは社長椅子と絶賛されていたけれど、
これは社長椅子…とは呼ばない、という代物だった。
我が家の夫のゲーミングチェアの方が座り心地いいかも。
つい裁判長の椅子も確認したけれど、同じ椅子だった。
ちなみに検察官も弁護人も被告人すらも同じ椅子だった!
管轄の地方裁判所、質素…)

想像よりも裁判を行う部屋は狭かった、
つまり、被告人にも証人にも近い。
傍聴人にも…。

裁判員6人、補充裁判員3人、ほぼ男女同数だった。
年齢も20代~60代で、こんなにきれいに抽選でなる?と
つい疑惑の目を向けてしまうほど。
でも、少し質疑応答するだけで、「ん?」と思う人もいて…
裁判官の質問にも答えがとんちんかん。
この人、別室で質問されていた人だったから裁判官たちは気づいたはず。
それでも裁判員に入っている…除外されなかったのか。
やっぱり無作為の抽選かもしれない。
作為的に選べるなら外すよな…と思ったりした。

その日、一番ショックだったことは
専用エレベーターを待つ間に裁判官が言ったこと。
裁判員に選ばれてレアだからと宝くじを買う人を何人か知っているけれど
当たった人は聞いたことがない。」と。
・・・私、帰りにロト6買うつもりだったけれど!
因縁の12という数字を入れて。
運の悪い、というより0.01%を引き当てた人たちの番号で
ロト6買おう~と思っていたのに、2番目に自分の番号が言われたため、
思考停止でメモできず。

裁判員経験者のブログには書かれていなかったけれど
初めて知ったこともあった。
休廷中、トイレに行きたくなったとき
急いで評議室を抜けて廊下に出てトイレに行こうとすると
被告人と廊下で鉢合わせします、と。
「僕たちが確認するので、それからにしてください」と裁判官に言われる。
司法試験の先に、そんな仕事もあるのか、裁判官…。

裁判員として地方裁判所に行く期間、
私が朝一番に家を出て、一番最後に帰ってくることになる。
朝にお弁当3つ作って…。
(中学生のテスト期間とも重なり5つの日も!)
夕飯はハヤシライスとキーマカレーバーモントカレーで…と
カレー尽くしの計画を末っ子にすると、「えーー!!」と言われる。
やっぱりだめ?と聞くと、
「最終日はカレーうどんがいい。」と。
・・・どんだけカレーを堪能する気なんだ。

家族に忙しい期間の協力要請をしたところ、
口々に「やっぱり母さんはくじ運がない!」とか
「くじ運がないことを認めなくちゃ!」と散々に言われた。
今朝は「県内でワースト9位のくじ運ない人たちの顔を拝んでくる!」と
意気揚々と出かけたのに、
「2番目に呼ばれた。ワースト2位かも。。。」と帰ってきた私。
夫には「驚くほど、すごいのに当たるね!」と驚かれた。
12って、いい数字だと思ったのに。
11や13に比べて12、いいじゃん!いい番号ゲット!と思って
安心しきって2時間浮かれていたのに…。
11番と13番は裁判員に当たらなかった。
私が傘に手間取らずに11番をゲットできていたら、
もしくは、もっと傘立てに手間取って13番をゲットできていれば…
と人生におけるタイミングについて考え込んでしまう。
そういえば、24番もいたぞ!4.12.24…4の倍数は危険と
これからは認識しようと思います。
裁判員はコンピューターによる抽選です…。)
あの抽選もビンゴゲームのように見えるところですればいいのに!
別室でされると、どうも「本当に抽選?」と疑ってしまう。

そういえば、裁判官、検察官、弁護人、皆さん同じ司法試験と
研修(司法修習)を通過した人たちのはずなのに、雰囲気が全然違った。
一番さわやかで人当たりがよかったのは意外にも(失礼!)裁判官の方々。
穏やかで優し気な語り口調だった。

中高の体育の先生か?みたいな風貌だった検察官、
なんだか高圧的で、私たちは犯罪者ではないのに、なんだその目つき!!と
いらっとするほど嫌な感じだった。
「12番さん」とひたすら番号で呼ばれ続ける3時間も
(そして、その後に続く裁判員の日々も番号で呼ばれる)
あれ?私は犯罪者か?とつい思ったり。
プライバシーに配慮して、って名字くらい読んでもいい気がするけれど…。
被告人を裁判官も裁判員も○○さん、とさんづけで呼び
裁判員は2番さん、3番さん、と番号で呼ぶ。
…どっちが起訴された人ですか?と思ったり。

弁護人は…裁判によるのだろうけれど、
大丈夫か?と心配になるほど頼りない感じだった。
ああ見えて公判が始まると舌鋒鋭いとかあるのかしら?
能ある鷹は爪を隠すっていうことか?
もしや、上着を脱いだら急にシャキーンとするタイプ?
弁護人は二人だけれど1人しか来ていなかったので、
油断させておいて…真打登場?といろいろ想像してしまう感じの人。
職業に合わせて雰囲気はできていくものなのだろうなぁと感慨深かった。