ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

『わたし、定時で帰ります。』

『わたし、定時で帰ります。』

ドラマのタイトルに同じようなのがあったような…と
図書館で借りた一冊。

あらすじは、(多分、ドラマと一緒?)
定時で帰るために生産性と効率を重視する主人公が
納期が短く、仕事量も半端ない上に安い仕事を受注してきた
上司により、チームとしての岐路に立たされる…

自分が定時に帰るために生産性を上げる一方で、
仕事が遅い人は残業ありきでゆっくりと仕事をする、
産休6週間で復帰して、スーパーワーキングマザーを目指す女性社員、
残業時間に目を光らせる人事部…
どれもこれもありそう~な話てんこ盛りではあるけれど、
主人公の解決策もありそう~なレベルで、
良くも悪くも実現可能。
実現可能だけれど、夢もないなぁ~、この主人公に…と
思いながら読んでしまった。

残業ありきで仕事をしている人…それこそ山ほどいる。
夜中の2時に仕事のメールがきてもスマホにくるのでいまは2時に読める…
この対応を朝するのか、とかを2時には考えてしまうわけで…
なんでこの時間?
2時まで仕事しているアピールか?それは有能アピールなのか
無能アピールなのか、それともブラックアピールか?
労働基準監督署に通報してくれってことか?
なんていう話を聞くと、暗澹たる気持ちになる。

定時に終わらせようと仕事を早くする、
そうすると「次の仕事も頼んでいい?」と言われるのも常で、
グループやチームで仕事をすると仕事量がどんどん増えて
効率的に仕事をしているはずが効率的に仕事をすればするほど
仕事が増えるという矛盾とか…きっと多くの人が経験済み。
せめて物語の中だけでも、もうちょっと素敵な未来を描けなかったものか、
と最後まで読みながら思った。
誰も見たことのない理想の未来を。

それにしても、なぜだか無性にイライラするのは昨今の私の
イライラポイントを彷彿させるからだろう。
有能な怠け者、有能な働き者、無能な働き者、無能な怠け者…
 (ハンス・フォン・ゼクトの言葉から)
人間を4分別したとき、日本のリーダーに多いのは
とにもかくにも”働き者”だと思う。
無能な働き者の下で働くことは本当に嫌になる。
合理的ではない指示、効率的ではない計画、先の読めなさ…
それでは有能な働き者をリーダーにするとどうなるか、
本人も必死に働いているからいいじゃん!というのは早計で
周囲やチーム、部下のことも見えていない。
リーダーがあれだけ必死なのだから頑張らないと!という
精神論や根性論に陥りがちで、俯瞰して見れていない。
リーダーに立候補したからといって適性のない人をリーダーにするから
こういうことになるんだよ!!とここ1週間ほどイライラしていた。

有能な怠け者、有能な働き者、無能な働き者、無能な怠け者…
リーダーになるべき人はこの4分類の中では誰か?
「有能な怠け者」だろう。
有能な怠け者はきっと怠け者だから、自分も必死にすることなんてないから
俯瞰して見える、有能なんだから効率重視だろうし…。
働き者賛美を辞めて、怠け者へとそろそろ移行してほしい。