ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

スポーツカー

高校生の娘の心療内科、結局4回ほど通った。
心療内科が何なのかもわからないまま、
これ意味があるのか?というような先生との雑談をしているだけ、
に見えたけれど(実際、そうだったけれど)
「ここで、一度、卒業しましょう」と言われて終わった。
終わってみると早かったけれど、そのころには花子は耳鳴りも
気にならない程度になり、不眠の訴えもなくなった。
時差ぼけを治す程度という薬をもらったけれど、
それを常用することはなかった。

たくさんの心理テスト?アンケートに記入して数週間後の受診日、
臨床心理士がいないので、確定診断をすることはできないけれど…
と前置きをされて、医師に言われた。
「花子さんは博士にもなれる人ですよ」と。
「あなたは化学のように飛びぬけてできることがあるよね」
「その一方でコミュニケーションが苦手だよね」
すごく言葉を選びながら語る先生の言葉を聞きながら、
・・・あぁ、やっぱり…と思った。
「確定診断が欲しければ臨床心理士のいる病院を紹介する」と。
花子は何のこと???と全くわかっていなかったけれど、
私はわかったよ。ずっともしかしたら?と何度も思ってきた。
やっぱり、そうなのか…アスペルガー症候群
きっと夫もそうなのだろうなぁと思う。

そんな話をロンドンのパルにしたところ、
”You are not allowed to call it Asperger's any more in the UK. 
It has to be called 'ON the spectrum'"
アスペルガーって、イギリスではもう言ってはいけないのよ。
いまは”スペクトラム上”って言う。)と。
"on the spectrum"ね、なるほど。
ちなみに、「私の夫も…だと思う」と。

そんな話をスイスのパルにした。
彼女は、「あら、花子も。うちの夫、娘と息子もよ。」
彼女の夫さんは先日、本をついに出版!の大学教授。
周囲にもたくさんいるんだわ~と改めて思った。

心療内科で先生が”身長”に例えて語っていた。
「あなたは高身長のようなものだ」と。
もし、3mの身長だったら、きっといまの世の中は生きにくい。
やっぱり平均的な身長の人が生活しやすい棚の高さや服の規格に
なっているから。
それでも、ただそれだけなんですよ。
ちょっとむずかしいときもあるかもしれないけれど、
完璧を目指さずに、折り合いをつけながらやっていこう、と。

娘の心療内科通いは”折り合いをうまくつけられなかった”
ことなのかもしれない。
ずば抜けてできるものがあるのに、著しく苦手なものもある。
日本のテストは平均的にできることを求めるので苦労していた。
オンラインの数学の先生は花子を”ブレーキのない超高性能の
スポーツカー”だと評していた。
「彼女がもっと自分を操縦できれば、ブレーキの踏み方を覚えれば、
もっとできる。」と。
ブレーキのないスポーツカーとは、うまいこと言うわ。