ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

詳しくなる

職業病というものはどんな職業にもあるようで、
話を聞いていると、とても面白い。
それぞれに詳しくなることがいろいろとあって、
世界が違うわ~と、いつも興味深い。

私が知っていることなんて、たかが知れているわ、
狭い世界で生きているもので…(美容師に言われて根に持つ)
と謙虚に、頑強に思っているけれど、
文通で詳しくなった英単語がある。

育児関連の英単語に前は詳しかったけれど、
いまはいろいろと変わってきて…
「neurosurgery」とインディアナ州のパルが語る。
あぁ、神経外科ね。
「ureter」についてもインディアナ州のパルが語る、
あぁ、尿管ね。
「pneunmonia」についても…以下略
肺炎ね…
neurosurgery, ureter, pneumonia,
3点セットで毎回のように出てくるから、
私の中では breakfast, lunch, dinnerレベルの英単語。

最近、ウィスコンシン州のパルと歯医者の話が止まらない。
定期健診に行くのが嫌すぎて、
発熱したことにしてキャンセルしようか、と本気で悩んで
いい年した大人は、堂々と「歯医者が怖いから、一回キャンセル」
とは言えないよね、なんて話に
「わかるわ~!でも、歯は放置すると、余計に痛いし、
高くつくわよ!」なんていう話をウィスコンシン州のパルがしていた。
彼女は私より先に意を決して歯医者の門を叩き、
"I ended up getting a root canal done on my tooth."
(根幹治療をする羽目になった)
・・・ギャ~!!
root canal=根幹治療、とすぐにわかるほどに
歯医者の治療も英単語で詳しくなってきていることに自分で驚く。
根幹治療、神経を抜くアレです…ヒィー!

たまに聞かれる。
「メイさん、何英語に詳しいの?」と。
ビジネス英語とか経済英語とかいうのを期待しているんだろうけれど、
(日本語でも興味ないので語れないので、英語で無理)
毎回、「世間話英語」と答えてきたけれど、
「歯医者関連の英単語、結構、強いかも」と、
今度、プチ自慢しようかと。

"The Library"

"The Library"

 

あらすじは「閉鎖を宣告された図書館の存続をかけて運動する市民の物語」
だと、どこかで読んだ気がする。
全然違う!そこは一番大事なところではない。
あらすじは、妻を亡くしてからアルコールに溺れた父親に
育てられている少年が田舎の町から出るために大学入学を目指す。
図書館で知り合った高齢女性とのつながりを通して
成長していく物語。

舞台が図書館だから、ではなく、本好きにはたまらない話と
なっていた。あちこちに、「読んだ!」という仕掛けが隠されている。
例えば、Sophie Kinsellaは読んだか?と出てきたり、

 

"Me Before you"(私は読んでないけれど)

「Hな本が読みたい」というリクエストに応えて"Fifty Shades of Gray"を
薦める場面など、吹き出してしまった。
読んでないけれど、噂だけはかねがね…。
普段、読書をしない私の海外の友人たちも読んだ一冊で、
それぞれの感想がなんだか言い訳がましくって面白い。
みなさんいい大人なのに、女子高生みたいな感想を言っていた。

Fifty Shades of Grey

Fifty Shades of Grey

Amazon

"The Rosie Project"(読んだ!)

"Outlander"(途中まで読んだ…)

"The Flatshare"(読んだ)

 

などなど、私も読んだ!!な本がたくさん出てきて嬉しい反面、
これ、10年後の読者にはわからない話かも…と思ったり。

しかも主人公の名前は"Thomas Harris"、
あぁ~!あの作家の!と言うほどに知られているのか…

羊たちの沈黙』の作者。

Willでよかったのに、William Shakespeare
シェークスピア
もしくは、女性にして、やっぱりCharlotte Brontë、
『傲慢と偏見』の作者。

Every book is a key that unlocks another world,
leads us down the path of a different life and offers
the chance to explpre an unexpected adventure.

(すべての本は別の世界への鍵で、
私たちを別の人生に誘ったり、
予想しなかったような冒険を探検する機会を提供する。)

本への熱い思いも素敵だったけれど、10代の少年への眼差しも
とてもやさしかった。
"It was good to see him acting his age."
(彼が年齢相応な様子を見られてよかった。)

10代のこどもが二人いるけれど、とてもではないけれど、
こんな眼差しで見れてなかった…と読書しながら反省。

 

感情労働

ロンドンのパルと家事における夫の分担について話したとき、
「ちょうどそういう記事を読んで、夫に送り付けたところよ!」
と話していた、unpaid labour(無報酬労働)や
emotional labour(感情労働)についてだというその記事を
私も送ってもらった。

https://www.harpersbazaar.co

www.harpersbazaar.com読んだ感想、
「これ、私が英語で書いた記事かしら?」と思うほどに
私がいつも言っていることが書かれていた。
そうか、イギリスでも同じってことか…。

筆者は母の日の贈り物に家事サービスを欲しいと夫に言うと、
予算の都合で希望するすべては無理で、「バスルームは僕がするよ」
と夫が言い、夫がする。夫が浴室掃除をしている間、
部屋は3人の子どもたちによりしっちゃかめっちゃかになる。
「なんで子どもが寝ている間ではなく、起きているときにした?!」
と突っ込む…とかね。
想像が容易にできすぎて、読んでて深いため息がでる。

例えば、箱があった。それを後回しにしていたら、
見えているはずの夫も何もしなかった。
わざと二日間無視した。
私が彼に言えば彼は片づけただろうけれど、頼みたくない、
と筆者は言う。

わかる!わかる!超わかる!より上でわかる。
私もいつもそれで夫にキレる。
「なんでしてくれないの?!」と夫にしたら突然に爆発する。
箱が見えてないのか?!と私もなるけれど、
夫も筆者の夫と同じ、
「頼まれたらしたから、言ってくれたらいいのに」。

社会は女性や少女たちに家事の責任を負わせるけれど、
男性には甘いことも書かれている。
「育児は女性のほうが得意だから」とママ友が言った時、
女性の方が得意なのは本能ではなく、経験値の差だよ、と私も言った。

こどもたちが新生児のとき、小さな爪を新生児用の爪切りで切ることが
私にとっては恐怖でしかなかった。
手先が不器用な私がこんな小さな爪を切るなんて、怖すぎる!と
夫に頼んだら、「怖いから無理」と言われた。
手先が器用な夫は「怖いから無理」でパスできた新生児の爪切り、
手先が不器用な私ががんばるしかなかった。
そこに女性の本能的な何かがあったか?あるわけないだろ!と
今でも怒りながら夫に言う。
結局、3人のこどもたちの爪を私は切り続けた。
夫は一度もしなかった、「僕は苦手」と。
私の方が手先が不器用なことはお互いにわかっているのに
それでも新生児の爪切りを私がやり続けた。
私がこどもたちの爪切りを夫よりうまいとしたら、それは手先の
器用さによるものではなく、経験値によるもので、
育児はほぼそれに尽きる。
本能的にできることなんて、ほぼない。
泣かせ続けた結果、経験値が磨かれているだけだと身をもって知った。

記事にでている女性たちの夫は家事に協力的で、
何か頼めば文句を言わずにして、皿洗いや寝かしつけもする。
周囲の女性たちに比べると、ラッキー…なんだけれど…
というそのモヤモヤ、わかる~!

追加で私の例も記事に挙げてほしくなるほど。
私の場合は、ここ5,6年毎年言う。
「誕生日に1日ホテルに1人で宿泊したい!」
旅行に行きたいわけじゃない。家から30分のホテルで良い。
エステして、部屋でぼーっとご飯食べて、ぼーっと過ごしたい。
トイレ掃除も洗濯も掃除もせずに。
夫も毎年言う。「どこのホテルにする?みんなで行こう!」と。

女性のみなさんなら、安易に想像できるだろう。
ホテルへ行くために家族の宿泊準備、忘れ物がないか、と確認して
夕飯にはみんなのリクエストをすり合わせて、
帰ったら大量の洗濯ものと家事に追われる…。
違う~!と叫んで、未決行のまま。

家事を意味する英単語、
thankless work (感謝されない仕事)
behind-the-scenes work(直訳は”舞台裏の仕事”だけれど、
これは日本では”名もなき家事”と言われている)
emotional labour(直訳は感情労働
emotional labour、感情労働というよりケアとかサービス業の仕事で、
家事や育児をひっくるめて意味するのかな?

ロンドンのパルには記事の感想を送っておいた。
「これ、私が書いた記事?」と。
読んで大きなため息しかでてこないけれど
いかに対等に家事分担するか、それを伝えるか、
ミレニアム懸賞問題の一つに加えてほしい。

『人の心は読めるのか』

『人の心は読めるのか』

人の心を読みたい、操縦したい、という欲望は
きっと誰にでもあるのだろうと思う。
だからこそ、心理学の本はよく売れるし、
私もいろいろと読んできた。
ひとつ言えることは、きちんとした本であればあるほど
人間の心理は複雑である、ということに着地し
そうそう心は読めませんって、となる。
わかっているのに、つい手を出す。
まさか、新しく万能な何かがわかったのか?と。

結論を述べると、わからん!だった。
心理学を20年研究していても、「妻のプレゼントは失敗する」し、
「息子のしつけ」でも悩むし、試行錯誤する。
心理学を20年教えている大学教授でそれなら、
ど素人の私なんて…人の心が読めるわけがない!

それでも、心理学の各種トリックを知っていると、
他人のちょっとした仕草で、あれ…拒否感でてる、
早く切り上げたいってことか、と気づいたりする。
ハンドバッグをテーブルに置かなくても。
エリザベス女王がハンドバッグをテーブルに置いたら
5分以内にディナーを終わらせたいという合図だったとか)

つい感情が表に出る仕草をしている人もいるけれど、
ちょっと心理学や仕草を知っている人だと
その仕草をしたくなったときに抑えたり、逆の仕草で
サインを送ったり(気づくか気づかれないかが置いといて)、
とウソにウソを重ねることも可能なわけで…
その仕草は心理学知ってる人?わざと?と疑心暗鬼になったりする。
筆者は、自分の洞察力を過信しないように、と。

いろいろな心理実験が紹介されていた中で、興味深かったのは
電車の通勤客への実験。
幸福度が一番高いのは3つのうち、どのグループか。
1、誰とも話さない、
2、周囲の乗客とコミュニケーションをとる
3、いつもやっていることをする

実験する前に被実験者たちが予想した正反対の結果がでた。
2の周囲の乗客とコミュニケーションをとったグループが
最も幸福度が高い結果になった。
また仕事の生産性への変化もなかった、と。

これは日本で実験しても同じ結果がでるのかと気になった。
見知らぬ人とのコミュニケーションを楽しめる方だと私は
思っているけれど、
今日の美容師さんとの会話がしんどかった…。
価値観が違いすぎて聞き役に徹したからか、
マンスプレイニングのお手本のような言葉の数々に
ストレスとともに帰宅し、なんだ???
と思っていたときに読んだ本だった。

他者の立場に立つことは難しい。
美容師のお兄さんは言った、
「専業主婦とか家にずっといる人、ハイジンになりそうですよね。」と。
ハイジン?
俳人?まさかの廃人?
美容院に専業主婦のお客さんがいま、いるかもしれないこの状況で
大きい声でそれ言うの?!新人でもないのに?と驚いていると、
「家にばかりいる人は世界が狭そうで!
やっぱり外に出て、人と話さないと!」と言われた。
家にばかりいて、カナダやイギリス、アメリカ、ドイツ…と
各国の友人と話しているけれど、
私の世界が狭いことは認める。
でも、あなたの世界が広そうにも聞こえませんけれど…。
外に出て人に会うって、それは友人知人で、
その世界は何を根拠に広いと思っているんだ?
世界が広い人って誰だ?!と美容室で考えこんでしまった。

本の中でも筆者が他者の視点に立つことの難しさを語る。
想像しても、正しいとは限らない。
所詮、自分の価値観での想像なので。
自分を少しさらけ出し、相手にオープンに聞くことが
大切なようだ…
って280ページ超読んで、結論はやっぱりコレ…。

人間の賢い頭脳がもたらしてくれる最善のものは、
相手の心には自分の想像が及ばない部分があると認める、
謙虚な気持ちなのかもしれないのだから。 p.282

 

『アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?』

Amazonのいやなところは、
「なにこれ?!」みたいなぴったりそのとき読みたかった本を
いままで興味を持ってもいなかったようなタイトルから
「はい、どうぞ」とおすすめに出してくるところ。
なんでわかったんだ?!
AIと見せかけて、本当はPCの向こう側にベテラン司書さんが
私のデータからおすすめしてきているんですよね?
もしや、私と友人の愚痴電話を盗聴した?と聞きたくなる。
そんなAmazonでベテランの能力高い司書さんにおすすめされた本、
タイトルからしてポチっとしてしまった。

アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?』

 

2012年の本とちょっと古めではあるけれど…
10年経っても状況は全く変わっていないので大丈夫。

家事労働の大半を担うのは女性で、
女性の家事労働は生産性がないということでGDPに入っておらず
GDPに入っていないだろうと思っていたけれど、
実際に入っていないと知り、衝撃を受けた)
世界の女性の20%以下は貧困ライン以下で暮らしていて、
グローバル経済の頂点で政治的、経済的な影響力を占める
超エリート層には女性がほとんどいない、
そんな世界でジェンダーが関係ないわけがない。

経済学を学んだ夫は言う。
市場経済では利益の追求が行われるから、
ダメなものはその内、淘汰され、良い企業が残る、と。
ゲイリー・ベッカーなどのシカゴ学派の経済学者は
市場経済には合理性がある、と。
だから、黒人差別も人種差別も市場経済においては
淘汰されるだろう、と。
白人ウエイトレスしか雇わないカフェと黒人ウエイトレスだけのカフェ、
価格競争に勝つのは黒人ウエイトレスのカフェ(労働単価が安いから)で
そうすると客も安いコーヒーが飲める黒人ウエイトレスのカフェに行き
白人ウエイトレスだけのカフェも宗旨替えをする、と。
利益追求の市場経済で結果的に人種差別まで解決!
・・・とはなっていないことは誰もが知っている。

友人が言った。
「夫に俺くらい稼げるのか?と言われた、」と。
どっかーん!!!と爆発しない彼女はすごい、としか言えない。
朝から夜遅くまでフルタイムで仕事をこなすこども3人いるパパさん、
彼が仕事をフルタイムでこなせるのは
フルタイムで家事労働をしている妻がいるからで、
その家事労働は無償労働に見積もられているのか、と。
彼女がキャリアを中断しなければ、パパさんより高給取りだったのは
確実で、それを妊娠出産育児であきらめた彼女に
言う言葉がそれか?
こどもが熱を出しても帰宅する必要もなく、
ホコリがいつもない部屋が当然のようにあると思ってる?
もしかして、小人を信じている人か?
寝ている間に家事してくれる小人…。
食事は魔法のステッキででてくるとでも?
それでも、彼女は親に強要されて結婚したわけではなく、
自由恋愛を経て、結婚をしたわけで、自分の意思で…
選択した、その選択の重さをいまひしひしと彼女が
私に電話で語ったのをきっと誰かに聞かれたに違いない!
こんなタイムリーな本をおすすめしてくるなんて。

それにしても、あの精神分析の父と呼ばれるフロイトは、
女性は家事に向いている体だと信じていたらしい。
女性のヴァギナが汚いから、それを埋め合わせるために
床掃除をするのだ、と。
いま生きてたら、炎上してるよ…。

フェミニズムとは女性がパイの分け前にあずかろうと
いうことではなく、まったく新しいパイを焼くための運動だと
グロリア・スタイネムは言った。 P94

郵便局の年賀状ノルマのように、同じパイの中で取り合っても
意味がないと思う。我が家が買う枚数は毎年同じなのに、
「今年はうちで買って!」と郵便局で言われたり、
局員の友人に言われたり…パイは同じですけれど。
男女関係なくフルタイム労働をして企業戦士になりたいわけではない。
無償を当然として思われているところには
もう少し可視化されて敬意を持たれてもいいように思う、
家に小人がいて家事と育児をしてくれない家庭においては。

タイトルにあるアダム・スミスは生涯独身で母親が家事を
担当してくれていたらしい。
しかし、アダム・スミスの思想には女性の欠如があった、と。
それはだって、300年前の男性ですから…と言いかけて、
いまでも「誰が稼いでいるんだ?」
「俺と同じくらい稼げるのか?」という男性がいることを思い出す。
300年…瞬間移動したのかもしれない。

 

それぞれのおすすめ

中2と高1のこどもたちとは本の趣味が変わってきた。
例えば、生物に興味のある中2の息子が読んでいた本。
どちらも私も読んだけれど、「ふーん」以外の感想はでてこない。

 

 

高1の娘が面白いと言っていた本はこんな感じ。

 

目次だけでもすごく刺激的な一冊。嬉々と語る娘が怖い。

そんな中、中2の息子と高1の娘がそれぞれに学校で
面白かったおすすめの一冊を紹介する機会があった。
どの本を持って行くのかと思っていたら、
あんなに趣味が違う二人が選んだ本が同じだった。

それ、私も読んだ!行動経済学という新しい分野で
社会実験のいろいろもとても興味深いよね~!と盛り上がった。

市場経済を持ち込むことで、どのように社会が変化していくか。
私の想像とは違う結果が出る実験も多く、謎が深まる。
なぜか私のアンテナに引っかかり、
読書後に「面白い!」と家族に紹介し、家族で読み終わった後に
新聞の書評欄でも紹介されていた。
最近は、彼の実験の話が紹介されている記事もあったり。
行動経済学、認知されつつあるもよう。

"Restart"

"Restart"
対象年齢10才~12歳の児童書。

Restart

Restart

Amazon

あらすじは、8年生(つまり日本の中2)のChaseが
自宅の屋根から転落して記憶喪失になる。
それまでは札付きの悪、ただし、フットボールのスターで
あることから大目に見られてきていた。
記憶喪失以降は性格が変わるものの、過去の自分の行いは
ついてまわり…。

これぞ児童書!これよこれ!というような大人が
こどもに読ませたいような完璧な児童書だった。
キスシーンなし!(当然か)
自らの行いを振り返り、いろんな人を巻き込み、
そして成長する…これが児童書よ~!と叫びたくなる児童書。

単語、わかりやすいわ~!
文通で知った単語が結構出てくる。
concussion, hyperpnea, coma
(脳震盪、過呼吸、昏睡)
別の本ではdiabetic, glaucoma
(糖尿病、緑内障
などもでてきて、辞書引かずともわかる!!
手紙の中でアメリカのパルが使ってた!とちょっとうれしかったのに
対象年齢10~12歳の児童書だと知り、ショックを受ける。
そうか、12歳は脳震盪も過呼吸も昏睡も知っているのか…。

面白かった単語は、musclebrain,脳筋(のうきん)か!
脳筋:脳まで筋肉質になっているような人を指す蔑称…
だろうけれど、アルクは「体が強靭だが知性的ではないという含み」
と書いていて、いいのか?大丈夫か?とドキドキした。

ロンドンのパルがweblioの英日辞書は結構違う、
というようなことを以前に言っていたものの
私はいままで発見したことはなかった…が、発見した!
juvie

本の中で悪事をしすぎてjuvieに行く寸前までなる。
ついに恐ろしいjuvieに…となっているので、
日本でいうところの少年院かな?と思いつつ調べると、
weblioでは juvie:ヤンキー
・・・違うと思う!
ほかの辞書サイトでは”少年院”になっていた。

その一方で、わからないまま読み終わった部分もある。
主人公の男の子が「このこは彼女?」と聞かれて
”turned the color of a mature eggplant"
(熟したなすび色に変わった) 
・・・なすび色ですか。
赤面ではなく?赤くなったわけではない、と。
それとも、アメリカのなすびは熟すと赤いのか?と
"mature eggplant"で画像検索をかけて同じ紫色だと知る。

思い出すのは古代のギリシャ詩人、ホメロス
海を”ワインのような濃い色”だと書いたとか。
古代ギリシャでワインは青かったのか、
青色をワイン色と言っていたのか
(緑色の信号を青信号と私たちが言うように)
それとも夕焼けに染まった海が葡萄色だったのか…と謎のままのハズ。

えーっと、なすびの成熟した色ね…
濃い紫でしょ…と調べてみてもわからなかったので
英語では赤面したらなすび色っていうってこと?と
ロンドンのパルに丸投げで聞く。
時差の関係で返信が返ってこないのでわかり次第、追記で。

追記:
ロンドンのパルに「紫色になるって、なんで?」と聞くと、
「恥ずかしすぎたからでしょ?」と。
恥ずかしすぎるとき、紫色になる、と表現することが多いらしい。
・・・知らなかった。
日本では、「顔が紫色になった」なんて描写があったら
喉に何か詰まっているのでは?
なにかまずいことが露見したのか?になるよ、と話すと
普通レベルではなく恥ずかしがっているときは、
どう描写するのかと聞かれた。
「耳たぶまで赤くなった」
「首筋まで赤くなった」
なんていう描写が多い気がする…。
恥ずかしさの描写でも違うんだなぁ~と発見があった。

作者は児童書の有名作家のようで、なるほど納得の
スラングの少なさ!
変な言葉も出てこないし、下品なこともでてこない。
キスシーンもなければ、誰一人死なない!
主人公の成長物語で児童書の鑑!
安心して読める児童書として、推薦できる。

児童書なので当然だけれど、
きっと感情移入は主人公の男のこや周囲の級友たち。
いろんなタイプの子がいて、
私のこども時代は、この子みたいだったな~と
思いながら読むつもりだった。
いや、途中までは感情移入は級友たちやメインキャラクターたち。
途中から保護者にしか感情移入できない。
いじめっこの親の気持ち、
いじめられっこの親の気持ち…
兄をいじめた男の子と仲良くする娘に
「いままで友達を選ぶように言ったことはないけれど…
いまは言うわよ!」とお母さんが言うところとか、
感情移入しすぎて悔し涙が出てくるわ。
児童書、親でも感情移入しちゃう登場人物がいるのね、
ということを学んだ。